新宿中央公園のスマートポールサイネージの不可解さ

Digital Signage /

新宿中央公園内に、タッチパネルを搭載したデジタルサイネージがあると聞いたので体験してきた。これはデジタルサイネージがメインの端末ではなく、5Gのアンテナというか小型基地局のスマートボールになっているようである。

この端末は実証実験的な意味合いが強いようで、東京都がシスコシステムズに委託して行っている。新宿中央公園のこの場所で、何を実証したいのかは正直良くわからない。おそらく都有地なので東京都としては設置しやすいのはわかるが、この場所に日常的にいる人々に、5Gやサイネージ端末を設置してどういうメリットがあり、何を検証したいのだろう。

という話はここまでにして、純粋にタッチパネルサイネージとしてのインプレッションを述べてみたい。

背面の様子
この中に5GとWiFiのアンテナが内蔵されている模様
実証実験の場所はここ。ここで何を実証をしたいのかは正直良くわからない

全体像を動画で撮影したのでご覧いただきたい。

デジタルサイネージのコンテンツをご覧いただいてわかるように、この場所でこの情報が必要とされているのだろうかは疑問だ。ここで、この端末で、東京の”今”を感じる必要があるのか。そしてそれは実際に感じられただろうか。答えは全て「ノー」である。

トップ画面
WiFiアクセスの説明
WiFi接続のためにはここでもやはり認証が求められる

筆者は5Gに接続できる端末もSIMも持ち合わせていないので、5Gスマートボールとしての評価はできない。WiFiについては当然接続できるのだが、日本のこうした端末の多くと同じように、認証が必要だ。それもメールアドレスではなく、6つのSNSのいずれかで認証をする必要がある。これはものすごく面倒である。各SNSをタッチしてもそのまま認証されることはなく、IDとパスワードの入力を求められる。IDはともかく、パスワードは長くて複雑にしていると入力がとても面倒だ。こんなに手間をかけるならもう4GLTEでいいや、という話に筆者はなったので、申し訳ないがWiFi速度は未確認である。

スタッフロール的なもの
USBの充電端子はUSB-Aのみが4箇所
ここをタッチするわけではなく画面をタッチする
表面のガラスとLCDまでの距離は5センチはありそうで、こうした画面最下部のような「視差」生じるところでは、どこをタッチしているのかわからない。タッチエリアを非常に大きく取ることでこの問題を回避している。実際には結構気持ちが悪い操作感である。
電源もネット回線も地中から引き回しているようだ。1日中直射日光を浴びるので、筐体内にはエアコンが動作している。
新宿駅方面からの歩道橋から見た様子。

5Gスマートボールとしても、デジタルサイネージ端末としても何を確認したいのか結局不明であった。この場所でデジタルサイネージで提供すべき情報というものが、残念ながら筆者には考えられない。おそらく設置工事も含めて数千万円以上は必要だと思われるが、こういった公的なデジタルサイネージは相変わらず意味不明なものばかりと言わざるを得ない。

近い将来に於いて、5Gスマートポールとデジタルサイネージが一体化する必然性がある場所、というのが果たしてあるのか。タッチパネルサイネージというものは人間が見て操作するものなので、手が届く範囲、人の視界の範囲に設置させるべきであるのに対して、5Gアンテナは全くそうではない。LinkNYCのように電話ボックスインフラを継承すると言うなら話はわからなくはなく、初期のPHSアンテナがそうだった。しかしこの事例のように、夜間は誰もいなくなり、昼間は直射日光を浴びまくる公園にエアコン完備の筐体を新たに設置する、というケースがどうしてもわからない。