【VIVATECH2021】Vol.02 ハイブリッド開催の観点から見た映像とステージの演出

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VIVATECH2021をハイブリッド開催されたイベントという観点からの印象を述べてみたい。2020年の3月以降に開催された大規模イベントはそのほとんどが中止か延期、またはオンライン開催となった。今年に入ってやっとオンラインとオフラインを並行させるハイブリッド開催も目立つようになってきた。

いずれにせよ、オンライン開催がないという例は逆にほとんどないと言ってよい。ところがこのオンライン開催はなかなかうまく言っていない例が多く、世界中の主催者、出展者による試行錯誤が続いている状況である。そんな中でのVIVATECH2021も、オフラインとオンラインハイブリッドで開催されたわけだが、オンライン部分の展示は他の例と同じくやはり厳しいなあという印象は変わらない。

しかしオンラインのセミナーは、ハイブリッドの一つの完成形かも知れないと感じたものだった。VIVATECHのセッションは全部で4つの会場で並行して行われた。以下で紹介するのはすべて配信映像からのキャプチャーである。

最初はステージ1の様子である。ステージ1は一番大きな会場で、といっても今回は500人の制限だったらしい。Facebookのザッカーバーグ氏がアメリカのおそらく自宅からライブで、司会のPublicis Groupeのレヴィ氏は会場から参加しており、その時の画面は下記のような3種類の画面構成で配信された。現場でリアル参加しているオーディエンスはリアルなレヴィ氏とディスプレイの中のザッカーバーグ氏が同時に視界に入る。

ザッカーバーグ氏は自宅?からライブでリモート参加
2ショット
会場のステージの様子。壁面には大型のLEDディスプレイ

ステージ2も壁面は全面LEDだ。この時のセッションは登壇者は全員ステージ上からの参加で、配信の映像では適宜話している人を1,2名抜いていた。

全員がステージ上にいる
ステージ上の人を適宜カメラが抜き出した映像が配信された

ステージ3はディスプレイとリアルなセットとしてのデスクが置かれている。こtの気はステージ上は一人で、の頃3人はリモートからの参加。リモート参加が多いときに有効なレイアウトだ。

ステージのひとりはリアルなデスクに座っている構図。背面はLED
リモート参加の3人のサムネイル状の画面

続いてワークショップのステージ。ここは完全にバーチャルな空間で構成されている。バーチャルセットなのでカメラが動くと背景の角度や見え方がリアルの場合と同じように変化する。Zoomのサムネイルのような平凡で面白みのない画面とは異なり、登壇者がオフラインの場合に有効だ。

バーチャルステージ。現場は存在せず、リアルな人が一人もいない。
ディスプレイが吊り下げられているような3次元のバーチャルステージが構成されている。ここまで凝った配信は他では見たことがない。

そして最後がPitch専用のステージ。ここはディスプレイはLCDが何面かで構成されていいる展示ブースにも近いライブっぽいステージ構成。照明がいかにもVIVATECHっぽいビビッドカラーが印象的だ。

この色使いは欧州っぽい
ピッチの登壇者のワンショット

これらの4つのステージは、オフラインの現場でのオーディエンスと、オンラインの配信を視聴しているオーディエンスの両方のことを実によく考えた構成であり、かつ4つとも異なるステージと配信画面のデザインを施している。CESや日本で行われたイベントの多くは、こうした使い分けや細かい配慮ができているものはこれまでほとんどない。今後のこういったイベントに於いては、配信対応は必須になるので、現場のレイアウトも配信のことを強く意識して、変化に飛んだ魅力的な内容、演出を試みることが求められていくと思われる。そういった観点から、VIVATCH2021は非常にセンスの良い参考事例になると思う。