QRコード決済でサービスエリアを拡大させた「どこでもオフィスグリコ便」

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職場向けの置き菓子サービス「オフィスグリコ」を提供しているグリコチャンネルクリエイトは、決済方法をQRに限定し、日本全国で利用できる「どこでもオフィスグリコ便」の提供を開始すると発表した

従来のオフィスグリコの決済は、貯金箱に100円玉を投入する現金決済がメインだ。そのため、同社スタッフによる集金が必要になり、サービスエリアはスタッフの巡回が可能な範囲に限定される。2002年のサービスインから約20年が経過した現在でも提供エリアは首都圏、愛知、近畿、広島、そして福岡の一部エリアに留まっている。それが今回の「どこでもオフィスグリコ便」では、決済方法をQRコードに絞り、棚の組み立てや陳列を導入事業者側に任せることでスタッフの巡回を不要とし、サービス展開エリアを全国に広げることになった。

オフィスグリコは置き菓子ビジネスを展開するにあたり、商品や小銭の盗難防止にコストをかけるのではなく、ある程度のリスクを引き受けることで低コストのサービスを実現し、オフィス内での小腹を満たす新たなマーケットを開拓した。今回のサービスは、さらに商品棚の組み立て、集金、そして陳列の役割まで手放すことで、展開エリアを一気に拡大させた。多くの事業者は課題があるときにそれを直接的に解決しようとするのだが、それが新サービスの本質的なメリットを壊してしまうことも多い(例:不正行為防止措置がすべてを台無しにしてしまったレジゴーサービス「Scan & Go Ignica」)。オフィスグリコのメリットは導入事業者側が電源や通信インフラを用意しなくてもよいところにあるとし、防犯カメラやNFC決済などの余計な機能を投入しなかった。IoTやAIがさまざまな解決策を提示できる時代にありながら「あえてリスクを放置して受け入れる」「役割を自ら捨てて身軽になる」でマーケットを拡げる選択をした同社から学ぶことは大きいと思うのだ。

オフィスグリコの展開エリアは「首都圏」「愛知」「近畿」「広島」「福岡」の5エリアのみで、首都圏でもサービスエリアは限定的だ。