募金サイネージを体験してきた

Digital Signage /

募金できるデジタルサイネージが登場したことは5月31日のGASKETで紹介をした。さてサイネージで募金という体験がどういうものなのか、デジタルサイネージはその場所で実態に見て、操作しないと本当のところはわからない。そこで出張のタイミングで現地に行くことにした。

場所は近鉄阿倍野橋駅の東改札口前。あべの周辺にはJRや大阪メトロも乗り入れているが、ここは近鉄の阿倍野橋駅。それも東口改札の正面だ。この東改札という場所が、現地に詳しくない筆者にとっては非常に難解な場所であった。決して寂れた場所ではないのだが、近鉄以外の方法で近鉄駅構内を通過しないで行こうと思うと本当にわかりにくく、各所にある表示も「近鉄」としか書かれていなくて何回も同じ場所に逆戻りした。西改札口や中改札口などには駅員は誰もいなくて聞くこともできなかった。

現場の設置状況はこちらの写真のとおり。改札からはかなり距離があり、改札からこの筐体を見てもこれが何であるかは、わかった上で探さない限りはわからない。

筐体に近づいたところ。ディスプレイが4面。不思議な配置だ。これを見て募金できること言うことを理解するのは極めて難しい。仮にできたとしても募金の主体者がよくわからない。駅という場所にこれだけの筐体をおいているということで、怪しいものではないとは思うだろうが、主体がすぐにわからないのはあまり良いことではないと思う。

右上の32インチくらいのディスプレイではSDG’sの説明の映像と、スポンサー企業である奥村組のPR映像が交互に表示される。

募金する気満々で筐体に書かれている説明を読む。カードを選択したいが、右の画面の上段がカードで下段が現金というボタンになっていることを理解するのに10秒は要した。位置も中途半端に低くて、見る角度が悪くてタッチボタンであることがすぐにはわからないからだ。また左にある同じサイズの何も表示していないディスプレイは不安を掻き立てるのは十分すぎるもので、試しにタッチしても何も起こらなかった。あとで分かるのだがこれはカードリーダーである。

上段のクレジットカード部分をタッチすると、このタイミングではじめてカードリーダーに表示される。これは店舗では店員が操作する前提のカードリーダーを使っているからこうなるのだろう。

筆者のカードはICチップが入っていて、決済金額が100円なのでPINの入力などはなく決済完了。すると左側にある50インチくらいのディスプレイで地味な「ありがとうございました」というメッセージ映像が表示された。6月1日から10日の午後までの募金者は168名、16,800円だ。筆者も含めて大部分は業界関係者だろう。

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今回のスポンサーは地元の建設会社の奥村組。

本件で一番体験したかったのは、募金という行為とデジタルサイネージは親和性があるのかということだ。

街頭募金というものは昔から数多くあって、赤い羽根の時期になると子供や学生が列になって、半ば強制的に募金をさせるような光景を見かけたりもする。こうした街頭募金やドネーションの是非を問うつもりはなく、援助を必要としている人に対して、お金で支援をするということが必要であるのは間違いない。

WEBやスマホではなく。デジタルサイネージで募金をする(してもらう)ということの意味やメリットは何か。これは偶然のタイミングで募金を知り、簡単に決済ができて、いい人可視化によっていい人が連鎖することではないだろうか。実際の集金総額も重要だが、告知啓蒙という意味もある。あまり真面目に堅苦しくやるのではなく、エンタメ性も必要だろう。

UXの設計とコンテンツ次第で募金あるいはドネーションサイネージというのはあるかもしれないと感じた。これは有名な事例だ。