ライブイベントに観客がリモートから参加できる「Virtual Live Audience」

Digital Signage/LIVE! /

ライブイベントにおける観客がリモート参加するための新サービスがClair Grobal「Virtual Live Audience」である。これはスポーツや音楽ライブ、あるいは舞台演劇やTV番組などに別の場所から参加できるシステムだ。ここでの「参加」とは、自宅でライブ視聴することよりもリモート出演することである。

下のような参加者のサムネイルを並べて表示するだけであっても、実際にこれをやろうとすると結構面倒なことは、制作技術や放送技術の方であればすぐに分かるはずだ。こうしたものがシステムパッケージされているのがVirtual Live Audienceである。

リモート会議画面のようなサムネイル表示

こういった観客のリモート出演の事例は、アメリカのプロレス団体であるWWEが昨年からスタートさせている。下の写真ではリングサイドにいる観客は自宅からアクセスしている。リングサイドには大型LEDディスプレイが設置されていて、客席を模した表示を行っている。実際に配信されている映像の背景にはディスプレイが映り込んでいる。背景のぼけ具合が実際に観客がいる場合と同じようになる。

Copyright WWE https://www.wwe.com/shows/backlash/2021/gallery/roman-reigns-vs-cesaro-photos#fid-40532191

それではVirtual Liva Audienceのさまざまな利用例をプロモーションビデオでご覧いただきたい。

下記がシステム構成である。構成自体はごく普通であるが、主に参加者側の利便性と低遅延を実現するために、やはりWebRTCを使用している。

Virtual Live Audienceの主な特徴
•観客は特殊なアプリのインストールの必要なく、パソコン・スマホ・タブレットなどあらゆる端末からウェブブラウザ経由で参加(WebRTCを使用)
•200msという低遅延での伝送なのでタイムラグなく出演者と観客のコミュニケーションが可能
•観客の表示方法は自由にデザイン/カスタマイズが可能
•クラウドおよびサーバ双方に冗長性を確保
•スタジオ/イベント会場においての映像および音声はHD-SDI/HDMIなど標準的な入出力端子に加えてネットワーク経由でのNDI/Danteにも対応

こちらの使い方は完全バーチャルセットなので実際の現場には何もないはずだ。良くも悪くもバーチャルな世界観である。

完全にバーチャルの世界観

また下の事例で面白いのは、インタビューっぽい映像でのマイクの扱い方である。日本のワイドショーや様々な番組でも、こういったリモートの出演者が一人1面のディスプレイに登場する例はよく見かけるが、マイクをこういう使い方をしているものは見たことがない。もちろん実際にはこの行為は意味がないのだが、不思議とリアルに見えてくるものである。

これはリアルな世界観

映像制作の現場においても、このようにオンラインとオフラインがどんどんマージしていくに違いない。