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株式型クラファン投資で節税するエンジェル税制

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2020年4月、スタートアップ企業への個人の投資を促進するための優遇税制「エンジェル税制」が改正施行された。特に、特にECF経由の投資については、発行会社の事務負担が大幅に軽減されたのが特徴だ。今回は改正エンジェル税制を活用したECFの投資事例を2つ紹介する。

エンジェル税制とは

エンジェル税制は、適用要件を満たす企業への個人の投資について、その投資金額を所得から控除することができる制度だ。優遇措置Aと優遇措置Bが定められており、それぞれ、以下の計算で投資額を控除できる。

対象企業は、それぞれの優遇措置の適用要件を満たすことについて「確認」を受ける必要がある。投資家は確定申告書にその確認書を添付して所得控除を受ける。この「確認」は従来、都道府県が行っていたが、今回の改正では、都道府県に代わり「認定ECF業者」が行うことができるようになり、その適用要件も大幅に緩和された。

エンジェル税制の対象企業の要件とは

優遇措置Aと優遇措置B、それぞれの適用要件は以下の通りである。

【優遇措置A】
Ⅰ 設立5年未満の中小企業者(中小企業基本法第2条の中小企業者)であること
Ⅱ 設立後の各年度の営業キャッシュフローがマイナスであること
Ⅲ 一つの大規模法人(資本金1億円以上)及びその子会社等(以下「大規模法人グループ」という)に過半数の株式を所有されていないこと及び複数の大規模法人グループに合わせて2/3以上の株式を所有されていないこと。
Ⅳ 上場会社でないこと。
Ⅴ 風俗営業等に該当する事業を営んでいないこと。

【優遇措置B】
Ⅰ 設立10年未満の中小企業者であること
Ⅱ 一つの大規模法人(資本金1億円以上)及びその子会社等(以下「大規模法人グループ」という)に過半数の株式を所有されていないこと及び複数の大規模法人グループに合わせて2/3以上の株式を所有されていないこと。
Ⅲ 上場会社でないこと。
Ⅳ 風俗営業等に該当する事業を営んでいないこと。

優遇措置Aと優遇措置Bの両方を満たす企業については、投資家は自らにとって有利な方を選択して適用することができる。

エンジェル税制で所得控除を受けるには

CAMPFIRE Angelsでは、GASKETでも紹介したGigi株式会社及び株式会社インターメディア研究所においてエンジェル税制を適用した。Gigiでは優遇措置A及び優遇措置Bの選択適用、インターメディア研究所では優遇措置Bのみの適用となった。

CAMPFIRE Angels経由の投資において個人がエンジェル税制による所得控除を受けるための手続きは以下の通りである。

CAMPFIRE Angelsでは具体的には、以下の投資契約書をECF業者であるCAMPFIRE Startupsが準備。サービスサイト上で投資家がダウンロードできるようになっている。投資家は印刷して捺印しPDFにしてCAMPFIRE Startupsにメールで返送する。

投資契約書とともに投資家が確定申告書に添付が必要なのは、上記の手続きの②「書類を受けとる」に示されている3つの書類、。これらについても全てECF業者であるCAMPFIRE Startupsが用意をしている。発行会社の捺印後、3つの書類をまとめて、投資家に郵送している。

投資家はこれらを申告期限の3月15日(2020年度の確定申告については新型コロナウイルスの影響による特例で2021年4月15日まで延長)までに確定申告書に添付して申告を行うことで、控除を受けることができる。以下は、インターメディア研究所について投資家に送った3書面である。

エンジェル税制の対象企業と投資家を増やす

上記のエンジェル税制を利用した投資家は、Gigiとインターメディア研究所、合わせて延べ200名近くに上り、利用率は5割を超えた。英国では、SEIS(Seed Enterprise Investment Scheme)というスタートアップ投資優遇税制の利用が活発だ。2012年から2019年までにSEISにより投資を受けた会社は12,900社。投資総額は10億ポンド(1,540億円)に達する。英国のECF投資は2014年の年間84百万ポンドから、2018年には年間363百万ポンドまで拡大した。

今後、CAMPFIRE Startupsとしてもエンジェル税制を積極的に活用し、ECFの投資案件増大を図る。先行する英国の水準に少しでも近づけたい。