OAAA、DOOH広告の接触計測に関する標準化ガイドラインとベストプラクティスを発表

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米国アウトオブホーム広告協会(OAAA)は2021年5月10日に、どの消費者がDOOHメディアに接触しているかを効果的に評価する目的で、モバイル広告IDを取得するための包括的なガイドラインを発表した。「OAAA DOOH接触測定標準化ガイドライン&ベストプラクティス(DOOH Exposure Methodology Standardization Guidelines and Best Practices)」は、業界全体の測定基準を確立するとともに、継続的な改善を可能にするものだ。今回OAAAは、オムニチャネルのマーケティング担当者がDOOHへの出稿を増やし最適な導入を可能にするために、OAAA会員である業界のトップリーダーと協力してガイドラインとベストプラクティスを策定した。

ガイドラインは主にDOOH接触データのリターゲティングとアトリビューションのユースケースに焦点を当てている。さらにガイドラインでは、DOOHの在庫タイプ別に推奨事項を分類し、屋内と屋外のディスプレイを特定し、さらにユースケース別に分類している。

主なトピックは以下の通り。
・ロケーションデータに必要な入力変数
・移動データからの必要な入力変数
・広告の再生データから必要な入力変数
・ロケーション別の緯度・経度の精度、距離、平均滞留時間の値
・ユースケースごとの出力変数

デバイス(スマホ)側のデータの例

目標
・DOOH計測の標準を確立し、継続的な改善を推進するための業界全体の協力を可能にする。
・計測データ収集のための一貫した透明性のある方法論により、DOOHの購入を容易にすることで、DOOHの採用を増加させる。
・DOOH計測データを使用したデータソリューションの使用と開発をサポートする強力な 理論的基盤を提供することで、マーケティング担当者がオムニチャネル・マーケティング戦略に DOOHを組み込むことを可能にする。

問題提起
OOHメディアは一対多の性質を持つため、誰がDOOH広告に接触したかを理解するのは難しいことであった。位置情報の増加により、モバイル広告IDは、マーケティング担当者が誰がDOOHメディアに接触したかを理解するためのオフラインのクッキーに相当するものとなり、DOOH広告が消費者の行動に与える影響を評価するための基盤となっている。しかし、今日のDOOH広告計測の定義は業界内で統一化されていない。入力変数や露出したモバイル広告IDを生成するために使用される方法に応じて、計測される規模や精度は大幅に異なる可能性がある。DOOHの露出測定が標準化されていないため、市場では何が露出ベースのソリューションを実現可能にするのかという点で混乱が生じている。例えば、同じソリューションに必要な最小インプレッション数は、掲出の取得に使用されるインプットや方法が異なるため、媒体によって大きく異なる可能性がある。この問題はオムニチャネルマーケターによるDOOHの採用を遅らせる要因となっており、露出把握の方法を標準化することはDOOHの将来にとって非常に重要なことである。

フォーカスする領域
モバイル広告の露出度の高いIDは、様々な目的で使用することができる。本取り組みの主な目的は、オムニチャネルのマーケターがより簡単にDOOHを導入できるようにすることであるため、本取り組みは主にDOOH掲出データのリターゲティングおよびアトリビューションのユースケースに焦点を当てられている。本取り組みはDOOHに関する既存のインプレッションベースの通貨測定システムを変更することを意図したものではない。

アプローチ
まず策定に当たり、Vistar Media社はDOOHメディアネットワークの業界リーダーと複数のラウンドテーブルディスカッションを行い、DOOH計測データ取得のための既存の入力データソースと方法論のギャップを把握するところからスタートした。初期のフレームワークを作成した後、Vistar Media社はバイヤーやデータプロバイダーとフィードバックセッションを行い、初期のドラフトや標準化のアプローチを確認するとともに、DOOH計測データの具体的なニーズやユースケースを特定した。主要なステークホルダーが初期フレームワークを承認した後、メディアオーナーからDOOH計測に使用する入力変数を標準化するためのフィードバックを受けてこのガイドラインは作成された。

主な検討事項
在庫タイプ別の入力変数 DOOH業界には様々な種類の在庫があり、これらの在庫は異なる入力変数を必要とする。例えば、画面の向きはモバイルデバイスのディスプレイへの移動方向を検証するために必要な入力変数であるが、消費者は通り過ぎた後に振り向いてディスプレイを見る可能性があるため、ディスプレイへの露出を決定するためにはそれほど関連性はない。考慮すべきもう一つの要素は、画面に表示されるロケーション情報の精度である。多くの屋内ディスプレイでは、ネットワークのハードウェアの制限により、スクリーンレベルの詳細なロケーション情報が利用できない。その結果、モバイル機器の測位位置とディスプレイとの間の距離を求める場合の信頼性が低下する。
インベントリタイプごとの掲出環境やデータの利用可能性の違いを考慮しつつ、各インベントリタイプ内での計測の一貫性を確保するために、屋外および屋内のDOOHディスプレイの接触計測には以下の方法を推奨する。

・屋外ディスプレイ
画面の正確な位置:画面に向かって移動しながら広告が再生されたときに、画面の表示距離内にモバイル端末があること。例えば北向きのスクリーンは、南に移動する消費者が見ることになる。
・屋内ディスプレイ
正確なスクリーン位置:広告が再生されたときに、スクリーンの表示距離内にあるモバイルデバイス。
ロケーションの中心であること:複数スクリーンで広告が再生される場合は、モバイルデバイスが視聴エリア内に滞在していること。

また、附章としてモバイルGPSデータを利用するのかについて、他の手法との比較表も示されている。こうしたモバイル広告ベースのメジャメント手法は一つの方法であるが、非常に有効であることは間違いない。今後は、スクリーン側の基本データ(場所やサイズ、メディアオーナーなど)が整備され、そこにエッジAIカメラベースの計測環境があり、スマホアプリなどから推計される属性情報や移動情報をマッチングする、といったメジャメントと環境が何処まで整備できるという点に論点が移っていくだろう。そしてこの課題は、大きく分けて2点あり、一つは関係者の合意形成、もう一つは実行にあたっての費用感である。