空いている耳に向けた新コンテンツ開発

Digital Signage/Media /

電車の中ではスマホを見ている人が非常に多いが、この時に「耳が空いている」ことが多い。この空いている聴覚に対してアプローチができるかも知れないと感じた実証実験が開始されている。

東京FMはメトロアドエージェンシーと連携して、視覚広告であるデジタルサイネージと、聴覚広告であるスポンサードオーディオコンテンツを一体的に展開するという、新しい広告コミュニケーション開発の実証実験を5月23日まで行っている。

これは駅のデジタルサイネージに音声コンテンツへの導線としてQRコードを表示して、音声コンテンツを聴いてもらおうという流れである。東京メトロの明治神宮前駅と日本橋駅の2箇所で行われているテストを体験した。今回のコンテンツは「下車した駅で運命が・・・」である。

下の写真は、明治神宮前駅の柱に設置されているデジタルサイネージディスプレイでにQRコードを表示している様子。このQRコードをスマホで読み取ると音声コンテンツへのアクセスができる。東京FMのオーディオコンテンツプラットフォーム「AuDee(オーディー)」のアプリがインストールしている端末だとAuDeeアプリが立ち上がり、インストールされていない場合にはブラウザが立ち上がって音声コンテンツを聴くことができる。今回のコンテンツはいわゆるラジオドラマで、明治神宮前では明治神宮前駅編、日本橋では日本橋編というそれぞれ異なるコンテンツのアクセスができるようになっている。2つのコンテンツはそれぞれが「連動」している。下の写真のQRコードをスマホなどで読み込んでもらうとコンテンツを聞くことができるので、まずは体験をしてもらいたい。コンテンツの長さは11分ほどだ。

明治神宮前のデジタルサイネージに掲出されるQRコード
QRコードを経由して音声コンテンツにアクセスしたところ。この場合はAuDeeがインストールされている端末からアクセスした様子。インストールされていない場合はブラウザ経由で聴くことができる。

下の写真は日本橋駅のデジタルサイネージの掲出されている様子。日本橋のコンテンツも下記のQRコードを読み込めば聴くことができる。

日本橋駅
日本橋編へのアクセスもこのQRコードを読み取っていただきたい。

筆者が実際に体験をして感じたことを列挙してみる。多くのビジネス的な可能性を感じることができたので、あえてあまり解説を加えず、簡単なコメントにのみとさせていただく。

(1)コンテンツへの導線としてのデジタルサイネージ
今回の音声コンテンツへのアクセス導線は駅ナカのデジタルサイネージにQRコードを掲出する方法と、SNSなどでアクセスURLを拡散されることである。駅のサイネージにQRコードを掲出しても多くの人がアクセスはしないだろう。ここの動線設計が課題。一旦SNSに載ってしまえばあとは簡単だ。かといってロケーションベースのデジタルサイネージなしだと単なるラジオドラマでしか無い。

(2)コンテンツはどこでも聴ける
今回はロケーションベース(その場所にちなんだ)の音声コンテンツという設定。だがその場所で11分のコンテンツを聞くということは考えにくい。そのためコンテンツはGPSなどの位置情報で聴取可能エリアの制限とするようなことはなく、どこでも聴くことができる。さらにスマホに限らずPCからもアクセスできる。

(3)コンテンツ聴取中にTwitterなどの他のコンテンツを使うことができる
空いている耳に対して、ながらリスリングをしてもらうという可能性はそれなりにある。

(4)ロケーションに対応した音声コンテンツの可能性
場所にちなんだコンテンツ、できれば回遊性のあるコンテンツ。今回のドラマコンテンツを聴いて思ったのは、休日にこのコンテンツの続編を聴くためにメトロで都内を何箇所を回遊し、移動先のお店などに行ってみるというところに可能性を感じる。うまく設計すれば聖地巡礼的なものにもなる。

(5)街ナカでの音声コンテンツの臨場感
筆者は地下鉄に乗って移動している状態で本コンテンツを体験した。これが非常に臨場感がある。イヤホンでコンテンツを聴きながらも、実際の電車の走行音、アナウンス、人の会話といたリアルな街の音がバーチャルな音声コンテンツと溶け合う。これはできればぜひ実際に電車に乗って、街ナカを移動しながら感じてみていただきたい。自宅のPCで聴くと単なるラジオドラマの域を超えられない。

(6)生放送のラジオではできないこと
ラジオのライブ放送は当たり前だが一斉同報だ。これだとタイミングが合う人は限られるし、一度に大量の人が集中してしまう危険性がある。1週間とか1ヶ月とかの期間限定性は必要だが、それぞれのタイミングで体験できるオンデマンドコンテンツとして設計ができる。

本件に関するニュースリリースでは以下の記載がある。

東京メトロ日本橋駅と明治神宮前〈原宿〉駅のデジタルサイネージに、2駅を舞台にしたオーディオドラマ「下車した駅で運命が」のコンテンツ画像とともに、2駅で異なるQRコードを表示。スマートフォンなどで読み取ることでその駅が舞台の限定のオーディオコンテンツがお楽しみいただけます。オーディオドラマは異なる構成のダブルストーリーとなっており、日本橋駅では「日本橋駅篇」のみが、明治神宮前〈原宿〉駅では「明治神宮前〈原宿〉駅篇」のみが聴取できます。
これらの取り組みは、オンライン広告であるデジタルオーディオコンテンツとデジタルサイネージを、オフラインである地下鉄の駅というリアルなロケーションに最適化した上で展開するという、オンラインとオフラインのそれぞれの特性を融合させシナジーを生むOMO広告コミュニケーションの開発につながるものです。
今後もTOKYO FMは、オーディオコンテンツ事業者として、放送のみならずデジタル領域においても、「AuDee(オーディー)」を通じて、オーディオコンテンツを主軸にしたエンターテインメントとビジネスを拡大してまいります。

PR TIMES

これだけだと今ひとつ具体性が見えてこないが、空いている耳に対してのロケーションベースの音声コンテンツの可能性はあると感じた。

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