TOUCH TO GOのシステムを導入した無人決済ファミマ!!が開店

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ファミリーマート社は、2020年11月に無人決済システムの開発を行っているTOUCH TO GO社(TTG)と業務提携、2021年2月には同社への出資を発表していたが、ついに同社システムを活用した実用化店舗の第一号としてファミマ!!サピアタワー/S店(東京)を3月31日に開店した。

同店舗は、コンビニのなかでも55平方メートルと小型のサテライト店舗で、これまでTTGが開発してきた店舗と同じく、入店した利用客をカメラや棚に設置されたセンサーで追跡し、手に取った商品を自動的に認識、利用客がセルフレジの前に立つと手に取っている商品をタッチパネルに表示し、そのまま会計できるようになっている。Amazon GoのJust Walk Outのようなレジをなくすものではなく、セルフレジでのバーコードを読む作業をスキップするものだ。

店舗を構成する仕組みは、外から見た限りは既存のTTG高輪店と変わらなかった。入り口から出口まで一方通行でそれぞれにゲートを設置した動線設計や、店内の客を追跡するための天井設置カメラ、商品棚に設置された重量センサーなどはもちろん、買い物の仕方を指南するデジタルサイネージやセルフレジに使われているイラストまで同じだった。ファミリーマート色を出そうというよりも、まずは案内のトーンアンドマナーも含めてTTGフォーマットに合わせていくようだ。

コンビニのパンやおにぎりは、類似のパッケージで多品種あり、カメラだけで見分けて行動追跡するのが難しいが、棚に設置したセンサーを活用することで、商品パッケージにマーカーコードを付与するなどTTGシステム用に追加の手間をかけることなく対応していた。TTGのシステムは、コンビニであれば広く使える汎用性があると思われる。

だがしかし、だ。コンビニ、とくにこの規模のサテライト店舗での省力化を実現するにあたって、カメラやセンサーでの行動追跡が必要だろうか。防犯カメラと普通のセルフレジを数台設置すれば解決することではないだろうか。

天井にカメラ、棚にセンサーを多数設置して実現していることとは、「セルフレジでのバーコード読み取り操作をスキップ」しているだけなのだ。これがスーパーマーケットのような、ひとりあたりの購買点数が多い店舗であれば、その効果は大きく、顧客導線上の大きなボトルネックの解消に大きな意味を持つだろう。しかし、この55平方メートルのコンビニのサテライト店舗で、平均すればひとりあたりの購買量は2、3点程度、バーコード読み取りにかかる時間は1人あたり5秒程度だろう。それと比べてTTG方式でどの程度になるのか、またその秒数にカメラやセンサーを多数設置するだけの費用対効果があるのか。筆者には、牛刀割鶏に思えてならないのだ。

ゲートと、利用方法の案内が表示されるデジタルサイネージ。イラストはTTG高輪ゲートウェイ店と同じで、ファミリーマート向けのカスタマイズはされていないようだ。
ゲートと、利用方法の案内が表示されるデジタルサイネージ。イラストはTTG高輪ゲートウェイ店と同じで、ファミリーマート向けのカスタマイズはされていないようだ。
天井には多数のカメラが設置されている。
天井には多数のカメラが設置されている。
カメラは色違いではあるが、TTG高輪ゲートウェイ店と同じに見える。
カメラは色違いではあるが、TTG高輪ゲートウェイ店と同じに見える。
セルフレジの画面デザイもTTG高輪ゲートウェイと同じようだ。ただ、セルフレジは現金決済にも対応しており、より多くの人が使えるようになっている。
セルフレジの画面デザイもTTG高輪ゲートウェイと同じようだ。ただ、セルフレジは現金決済にも対応しており、より多くの人が使えるようになっている。
店舗内の動線は一筆書きの一方通行となっている。また、電子レンジやコーヒーメーカーはゲート外に設置されている。
店舗内の動線は一筆書きの一方通行となっている。また、電子レンジやコーヒーメーカーはゲート外に設置されている。