OOHのインクリメンタルリーチ調査が行われた大きな意義

Digital Signage /

SMN株式会社は、2020年8月から9月にかけて実施した分譲マンションのブランド訴求において、テレビCM、ウェブ広告、キャッチアップ放送、そしてOOH(Out of Home:屋外広告)を使った広告展開をしたときのOOHのインクリメンタルリーチが4.7%と発表した(同社プレスリリース)。

単一メディアへの広告出稿では、出稿額を増やしていってもリーチは頭打ちとなり、フリークエンシーを重ねるばかりでコストパフォーマンスが落ちる。その際には、新しいメディアを組み合わせてリーチを広げていくことになる。インクリメンタルリーチとは、新しいメディアに広告を出稿したときに、そこで新たに取得したリーチの純増分を指す。今回のSMN社の発表は、テレビCM、ウェブ広告、キャッチアップ広告を展開し、さらにOOHを展開して54%の認知を獲得した際に、OOH認知が28.4%、OOHのみで認知を獲得した純増分が4.7%だった。SMN社が発表した図がわかりやすい。

これまでの多くのOOHの媒体社は、ロケーションの価値としてサーキュレーションデータを出して、その効果を説明しようとしてきた。しかし、広告主は、OOHだけに出稿するわけではない。複数のメディアを組み合わせてリーチを広げ、ブランドリフトを実現しようとする。そのようななかで、OOHがどのような役割を果たすかを説明できる指標を提示できないと、OOHは、定量的なデータに基づくメディアプランニングをおこなうときに、選択肢から外れてしまうことになる。今回の発表のように、OOHの活用にどれだけの意義があるか数字で示すことは、メディアプランニングの選択肢にOOHが存続していくにあたって、極めて重要な役割を果たす。

また、今回の調査はOOH認知エリアに限定した調査のため、OOHに有意な数字が出やすいとはいえ、OOH認知トータルが28.4%、インクリメンタルリーチが4.7%との数字は、そのロケーションにいる人々を属性に関係なく全方位的にリーチできるOOH価値を示した数字といえるだろう。

また、OOHは、ブランド興味やブランド検討などの態度変容に与える影響も大きいようだが、発表内容を読む限りでは、ここのメカニズムは残念ながら不明だ。ここのロジックをご存知の方がいれば、ぜひ教えていただきたい。