非接触な飲食店が全然増えないのはなぜだ

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COVIDとは本来的には関係なく、飲食店でのオーダーは未だに紙のメニューが主流のままである。入店時の誤差の激しい体温チェック、アルコール消毒はほぼどこでも行われ、テーブルも回転するたびに消毒を行い、透明なアクリルのパネルも設置しているが、メニューまで消毒しているところはあまり見かけない。

オーダーするときにはこの紙のメニューを触ってページをめくり、口頭でそれを伝える。店員さんはそれを聞いて、オーダー端末に入力していく。COVIDの状況下ではどうにも片手落ちと言うか、とても不思議な状況のままだ。極稀にではあるが、テーブルにQRコードが印刷された紙があって、それをスマホで読み込むとメニューが表示され、そのままオーダーができるところがある。

こちらのお店では、ランチではコースメニューも提供していて、それは紙のメニューも置かれているが、注文がはあくまでもQRコード経由でスマホからだけだ。状況によっては面倒にも思えるが、食事をする場面においてはお店と客のお互いの幸せのためにはQRコードを読み込んだほうがスマートであることは間違いない。

だが、ここまでは非接触であっても、この店の場合は会計はスマホではできなくて、レジに行ってカードや現金で支払う。カードの手数料が高いのは承知しているが、ここでもせっかくの非接触のフローが寸断されてしまうのだ。ちなみに会計を終了したあとに、上記のQRコードを読み込むと下の写真のように会計済みと表示される。つまりQRコードはユニークなのである。

オーダーと支払いがなかなか非接触にならない理由はどこにあるのだろう。こうした導入コストが瀕死の状況にある飲食店にはまだまだ導入に踏み切れない高額なものだからというのはある。複数の事業者が参入しており、今回のお店はUSENのUレジを利用しているようだ。Uレジ LITEというサービスは、利用料は無料だが初期費用が139,800円のようなので確かに安いとは言えないだろう。

こうしたサービスには注文、会計、テーブル管理、分割会計から、さまざまな売上分析機能のあるものもある。飲食店の規模にもよるが、売上分析まで必要とするところは果たしてどれくらいあるものなのだおる。シンプルにスマホでオーダーができる、その情報が何らかの方法で厨房に伝わる、できればキャッシュレスで決済できる。ここまでをスマホだけで完結できる適切なサービスがなかなかないように見える。

ネックはやはりキャッシュレス部分なのだろう。クレジットカードは手数料が高いし、基本的には都度通信して認証を得る必要がある。ICカード系も読み取り端末が必要だ。PayPayやLINE Payaあたりが比較的敷居が低いのだが、筆者は全く使用していない。理由は使える場面が多くないからだ。少なくとも筆者の生活上では交通ICカードがやはりいちばん便利だ。理由は電車バスに乗れて、コンビニで使えて、決済が速いことだ。では交通ICカードが万能かと言うと、これら以外の場所ではファストフードくらいでしか使わない。またオートチャージ機能が使えなかったり、使えたとしても月間5万円という制限に月末が近づくと引っかかる。クレジットカードのタッチ決済は対応店舗があまりのも少ないし手数料問題が残る。

使わない、使えない、できない理由はいくらでもこうして列挙できるが、やはりもっとシンプルにならないものだろうか。COVID以降になっても状況はさほど進展しておらず、全てが中途半端なままだ。このまま民間のビジネス競争に身を任せる以外には術は無いのか。マクドナルドでも注文の列に並んで現金で支払う8割の人を見たり、コンビニで財布から不衛生な現金を取り出してお釣りのやり取りをしている様子を見ると、全てが複合的な理由として存在しているように思う。

クレジットカードは与信が通らなかったり、若年層が持てないとか、結局は借金だというのはそのとおりだ。日本ではあまり人気がないデビッドカードの決済手数料や回収期間をさらに短縮するなどし、さらに交通機関が対応して、Pay系にオートチャージがスムーズにできるようになればいいのではないかと思う。できない理由があるのは承知しているが、それは本当にできないことではないからだ。ちなみに日本はデビットカードの普及率は決して低くはなく(知らないうちに銀行カードに付いていたりする)、低いは利用率(なんと0.1%)なのである。