オンライン会議用ツール「mmhmm」のワンマンオペレーションに最適化された秀逸さ

LIVE!/Media /

オンライン会議がすっかり当たり前になった今、mmhmmというツールが非常に使い勝手が良い。筆者はハードウエアスイッチャーのBlackmagic DesignのATEM mini Proからソフトウエアであるmmhmmに乗り換えたところだ。mmhmmの機能と乗り換えた理由について紹介しておく。

mmhmmはオンライン会議用のソフトウエアである。Zoomでできることはほぼ前に実現できていて、Zoomよりも遥かに表現力が高く、ワンマンオペレーションに最適化されている。

mmhmm自体には配信する機能はなく、ZoomやWebex、Teamsなどの配信ソフトに対してバーチャルカメラとして機能する。なので例えばZoomであれば「カメラの選択」で既存の内蔵カメラやWebカメラではなくmmhmmを選択すればよい。WebexやTeamsで利用する場合はそれぞれの専用アプリではmmhmmをカメラとして選択ができないので、Webアプリケーション版で選択する。

下のキャプチャーはmmhmm上で仕様するカメラを選択しているところだ。ここでバーチャル背景(mmhmmではルームと呼んでいる)を使用する際に、背景にグリーンやブルーバックの有無を選ぶ。言うまでもなく、こうした背景を用意したほうが抜けは圧倒的にきれいで、マシンパワーの節約にもなる。

背景の抜け具合を調整する

こちらはルームの選択画面。予めプリセットされたものや、mmhmmのサイトから無料ダウンロードできるものがある。自分で撮影した写真や動画を利用することもできるので、TPOで使い分けする。

ルーム(バーチャル背景)を選択する

こちらは人物の大きさ、位置を設定しているところ。この画面でモノクロや古いフィルムタッチ、さらにはガラス越しの雨粒などのエフェクトを加えることもできる。

人物の位置とサイズを調整する

概要を説明したところで、実際に使用した動画をアップしたのでご覧いただきたい。パワーポイントやキーノートなどの説明資料を使うこともできる。

このようにmmhmmを使えば、テレビ番組ライクな映像演出をソフトウエアだけで実現できるようになる。オンライン会議に参加するだけでは単なる高品質なバーチャル背景設定ツールであるが、会議中に資料を用いてプレゼンをしたり、オンライン授業を行う場合には最適なツールである。

同じことを前述のハードウエアスイッチャーで行うことももちろん可能で、そちらのほうが更に放送ライクと言うか、ほとんど放送局と同じクオリティーで実現できる。だが実際に運用してみた決定的な問題点は、ATEMのような専用ハードウエアは、出演者と送出運用技術者が別の人間である、という前提でハードやソフトが設計されている。そういった環境、すなわちオフラインで行われているセミナーやイベント、ライブを複数のカメラを使って生中継するときには良いのだが、筆者以外の大部分の方々もそうだと思うが、演者と技術者は自分自身によるワンマンオペレーショになるケースがほとんどではないだろうか。

mmhmmはワンマンオペレーションを前提にして設計がなされているところがポイントだ。操作は自らがプレゼンを行いながら、すべてmmhmm上だけで操作することに最適化されている。

他の機能としては、筆者は今の所使う機会がないが、「コパイロット機能」というスライドの作成や切り替えを複数人で行う機能、「インタラクティブレコーディング」という、プレゼンテーションを最終版ではなくオブジェクト単位で記録することで、参加者側でカスタマイズできる機能がある。

複数人が共同でプレゼンを行うコパイロット機能はゼミなどでは有効
表示するオブジェクトを参加者(受信者)側で選択できる

mmhmmの課題としては、現時点で提供されているのはMac版のみで、Windows版はβテスト中。おそらく近日中に公開されるだろう。またこれだけの機能を持っているのでマシンスペックが必要で、このことで電力消費量もかなり多いことだ。

これからmmhmm追加されるであろうと思われる機能は、テロップ機能ではないだろうか。これはプレゼン資料を工夫すれば類似のことは可能だが、パワポではなく文字だけで表現したいこともよくあるあるからだ。もう一つも文字関係だが、リアルタイムでテキストなどが編集できて、そのまま送出できる機能ではないだろうか。現状ではパワーポイントのような編集をmmhmm上で行うことはできるが、パワポやキーノートをリアルタイムで編集しながらそれをそのまま同時送出することはできない。これはZoomの画面共有だと可能だ。

そうするとZoomの画面共有でいいと言うことになるのだが、ご承知の通りZoomの画面共有は切り替えのタイムラグがかなりあるのと、実際に共有できているかを「見えていますでしょうか」を必ず聞いてしまうように、共有できているかどうかがとてもわかりにくい。また共有資料が全画面表示されるので、プレゼンターは端っこに小さく表示されてしまい、説得力に著しく欠けてしまうのだ。Zoom画面共有のいいところは、スマホやタブレットで拡大できることで、学生などで大画面環境を持たない人からの要求は高い。この課題は、Zoomとmmhmmの機能を使い分ければいいことなのでさほど問題ではない。

オンラインプレゼンのクオリティを上げたい方はもちろん、ATEMなどのスイッチャーを導入された方も、ぜひ一度mmhmmを試してみるよいだろう。無料版はすべての機能を7日間使用することができる。その後も1日1時間は全機能を利用できる。有料版は制約なくすべての機能が利用できて、年間11,000円だ。学生と教育関係者は1年間有償版を利用できる。その場合は学校のドメインのメールアドレスが必要だ。

このレベルの映像配信を、パソコン1台だけで実現できる時代は本当に素晴らしいと思う。