オンライン会議で大切なの映像よりも絶対に音である

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リモート会議が全盛である。もちろんリモート会議などでは仕事にならない方々の方が世の中的には遥かに多いわけだが、仕事の大部分がリモートで済んでしまうような筆者や読者の方に、音声の重要さを指摘しておきたいと思う。

最初に筆者の自室で、マイクを切り替えながらテストをしてみたのでその様子をご確認いただきたい。テストしたマイクは、わずか1080円のダイナミックマイク、MacBook Proの内蔵マイク、そして3000円くらいのヘッドセットである。テストに際してはイコライジングやコンプレッションなどの処理はしていない。

音の好みや、皆さんの再生環境にもよるが、ダイナミックマイクの圧勝ではないだろうか。ダイナミックマイクはマイクの近くで話す必要があるので、マイクスタンド類が必要になるがこれも2000円ほどで手に入る。あと、ダイナミックマイクは出力される信号が弱いので、オーディオインターフェースと言われるマイクアンプを経由してパソコン側にUSB接続する必要がある。これは5000円くらいから用途によって2万円くらいである。筆者はヤマハが買収したsteinbergのUR22mkIIという機種を使用している。入力が2系統あるのと、ループバック機能というYouTubeやPC内の動画ファイルなどをマイク音声と合わせて送り出す機能があるので2万円ほどだった。

オーディオインターフェイスの選択にあたっては、マイク入力端子の形状(XLR、3.5ミリミニジャックの場合は3極か4極かなど)に十分注意する必要がある。これらは変換コネクタや変換ケーブルを用意すれば対応はできるが、結構間違いやすいので詳しい人のアドバイスを受けた方がいい。出力側はUSB-AまたはCであり、これも基本的には変換は可能。またマイクと機器の組み合わせによっては「サーッ」というホワイトノイズや「ブーン」というハム音が乗ってしまうことがある。もしそうなってしまった場合は、グランドラインを合わせるとか、セパレーターで切り離すなど、対応にはちょっとしたノウハウが必要である。

高感度で音質がいいとされるコンデンサーマイクに比べてダイナミックマイクのいいところは、まずは安さ。そしてなんといっても遠くの音は拾いにくいので、生活音を知らずに配信してしまうことが激減する。子供や犬が鳴くのはむしろ好感度がアップするくらいに思うが、時々は人にあまり聞かせたくない音もあると思うからだ。生活音と言うか周辺雑音というのは結構多いものだ。先程の比較動画で言えば、ダイナミックマイクからMacのマイクに変えたときの違いが一番わかり易い。一般家庭の部屋はスタジオではないので反響音などが多く、音的な環境は非常に悪いのである。

筆者がよく経験する音的に悪い環境例は、会社の会議室のような場所でノートPC1台に対して、会議室内に何人も人がいる場合である。この場合はノートPCのマイクから各人の距離が遠く、会議室が音がとても反響しやすく、さらにスピーカーから音を出力していると言った環境だ。皆さんも経験があるかもしれないが、最悪の場合何を話しているのか全くわからないこともよくあるし、そこまで行かなくても話の内容は理解されにくく、最悪無視されてしまう。物凄い機会損失だ。

映像については部屋を見せたくない、ノーメイクだからなど、顔出ししないことも多いと思うが、頭隠して尻隠さずではないが、顔隠して音隠さずには注意が必要だ。これはプライバシーがダダ漏れという点もあるが、そもそもオンライン会議では声によるコミュニケーションが最も重要であることを忘れてはならない。声以外であれば文字ベースのメールやチャットでやればいいが、言うまでもなく細かいニュアンスは声のほうが伝わりやすいし、同期型のコミュニケーションでは音声が最も適している。

顔というのは確かに表情が伝わるのだが、日本のオンライン会議は参加者の多くがなかなか顔出しをしない、特にレガシー系の業界や会社では本当に顔出しをしないまま進行することが多い。CES2021のセッションでは、顔出ししない人は一人もいないし、そもそもバーチャル背景ですら使う人がほんの少数派だったのとは好対照である。顔出しする人がいたとしても、逆光で顔が真っ暗、ノートPCの内蔵カメラだとアオリ気味の絵になってしまうので特に女性には不利など、旨く使いこなしている人が本当に少ない。女性がノートPCの内蔵マイクを使う場合は、PCの位置を少し高くして、アオリではなく俯瞰気味の画にすると印象がまるで変わると思う。その際は「女優ライト」もお忘れなく。

ダイナミックマイクとまでの距離は声のハリ具合にもよるが、5から10センチ程度
ハウリング防止のためにスピーカーからは音を出さない。これは効果絶大。イヤホンを目立たせたくない場合はこうした「シュア掛け」できるイヤホンタイプを選択するのもアリ

マイクの選択に加えて、ノイズ対策としてヘッドホンやイヤホンを使用することはもう絶対条件と言ってもいいだろう。スピーカーから音を出すと、その音をマイクが拾ってしまうループ状態すなわちキーンというハウリング音や、様々なノイズ音の原因となる。ZOOMなどにはデジタル的にこれを抑制する機能が実装されてはいるが、なによりマイクに音を拾わせないのが大原則である。そのためにはヘッドホンまたはイヤホンで100%解決するので使わない手はない。

ノートPCに内蔵しているマイクの中には、ときどきものすごく周波数帯域の狭い、ケータイ電話みたいな音しか再現できないものがある。また自分の環境におけるい音の状態は、自分ではきちんと把握することができない。そこでおすすめしたいのは、ZOOMで一人だけで会議を開始して、その内容をZOOMの録画機能を使って保存するのだ。その際に喋り方や声の貼りハリ方、環境ノイズの確認のために無音状態も試す。これを再生すれば相手にどう聞こえているのか確認することができる。なかなか「あなたの音はクリアでないから改善した方がいいよ」とは指摘してもらえないものなのでこうした自己チェックが有効である。

オフラインのリアルのミーティングでは、服装や髪型、女性であればメイクなど様々なものTOPで気を配る。オンラインでも同じことだが音に対して無頓着な人がまだまだ多いので、録画して確認することを強くおすすめする。映像は正直二の次でいい。

(1)音声が重要
(2)資料だけの画面共有はNG
(3)できれば手描き

の3つがポイントで、映像部分についてのツールとしてはmmhmmが最も適している。mmhmmについては別途きちんと紹介をしたいと思う。