ポータブルな手洗い場「WOSH」を体験した

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新宿マルイ(東京・新宿)の出入口すぐ近くに、手洗い場の「WOSH」が設置されていた。WOSHは、膜ろ過・塩素添加・紫外線照射の3段階の浄化システムを搭載したポータブルな手洗い場だ。20リットルの水を投入すると、それを循環して利用できるため、水道につなげることなく利用し続けられる。商業施設や店舗の入口には、アルコール消毒液が設置され、手指消毒を行うのが一般的になっているが、新宿マルイでは、ディスペンサーの奥にWOTAを設置し、さらに水による手洗いができるようになっている。

水循環システムがもっとも求められるのは、仮設設備や災害時、水道のない途上国などの環境かもしれない。しかし、コロナ禍で手指消毒の頻度があがり、これまでの動線設計では想定していなかった場所にも手洗い場が求められるようになったなか、配管工事を行うことなく、そのようなニーズにフレキシブルに対応できるのは、大きなメリットだ。

実際に使ってみると、水とソープは非接触センサーで出てくるし、シンクは大きくて手洗いには十分なスペースがある。蛇口から出てくる水は意外なほどに水流が強く、ソープを素早くすすぐことができる。ストレスのない、気持ちの良い手洗いができる優れたデザインだった。向かって右手にはトースターのような開口があり、そこではスマートフォンを深紫外線で消毒する装置も付いているため、手洗い後にスマートフォンからの菌やウイルスの再付着も防げる。利用者目線で見ても、非常によくできた装置だ。アルコールだけだと手荒れもあるし、消毒だけでなく手洗いをしたいシーンも多い。ぜひ街中に普及してほしいと思う装置だ。

ただ、アルコールディスペンサーは、3秒もあれば噴霧できるが、手洗いは30秒かかる。水道管は不要という点では自由度は高いのだが、手洗いにかかる時間を考慮して動線上に設置しなければならず、その意味では場所を選ぶ。いま設置されている商業施設の出入口は、実はあまり適していない。実際に新宿マルイでは10分程度利用状況を見ていたが、ほぼ全員がアルコールディスペンサーを使う一方、WOSHを使う人は0人だった。消毒ではなく、手洗いをしたくなるシーンはどこか。30秒の滞留を受け止められる場所はどこか。さらには、その30秒をデメリットとするのではなく、30秒間のタッチポイントとして活用したいと考えるプレイヤーはいないか。そのあたりを考えていくと、適した場所が見つかってくると思うのだが。

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