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こたつ記事が増えるのでメディアにもニューミドルマンが必要だ

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こたつ記事という言い方がある。それは自分の足で稼いで取材をし、記事化するのではなく、主にオンラインで手に入る情報を元にして作成される記事のことだ。

GASKETはビズライト・テクノロジー社が運営するオウンドメディアであるが、自社PRはほとんどなく、同社の業務領域を中心としたさまざまな事象を記事化している。もともと一般のニュースサイト、情報サイトのように記者職があるわけではなく、通常業務に加えた社内で内製している。また各社からニュースリリースが送られてくることはほとんどなく、上記のスタッフが自力で情報収集を行い文書化している。こたつ記事として作成されるものがCOVID-19で外出する機会が減ったために、今では8割以上である。

全体傾向としてはこたつ記事とは批判的な物言いである。GASKETの言い訳ではなく、こたつ記事それ自体が悪いわけではない。著作権を問われるようなものは論外であるが、ネットで得た情報を元にして論評を加えたり、独自の考察を入れるものであれば、それが「記事」かどうかはともかく、「コラム」と位置づけてしまえば少なくとも批判の対象にはならないと考える。

パンデミックの状況下では、記者発表もオンライン開催だったり、ニュースリリースが公開されるだけだったりするし、双方向のオンライン開催であっても質問や回答の濃度はリアルとは正直大きく異なる。現物を触ったり見たりする必要があるものは体験として文書化することが困難だからだ。

ここでこたつ記事の是非や定義を言いたいのではなく、特に完全デジタル開催、すなわちオンライン開催されたCES2021に今年もGASKETはプレスとして参加して思うところがある。

CES2021では、プレスしか参加できないカンファレンスもあるにはあったが、それらも結局はすぐに各社のWEBやYouTubeに公開されて、一般の方も含めた誰でも情報に接することができる状況になった。さらには例年はオフィシャルなプレスカンファレンスとは別に限定的なミーティングの場が多数設定されていたのだがそれもオンライン化で相当減っていたように思う。すなわち昨年までのように「現場に行かないとわからないこと、プレスしかわからないこと」が激減したのである。

これは中間事業者としての記者、メディアの位置づけが問われる問題である。CES2021の場合は、2000社ほどの出展者があり200本ほどのカンファレンスが行われた。これらは149ドルで有料登録すれば、誰でも参加できた。しかし200社200本という数は個人の対応能力を超えているもので、これはオフライン開催された2020年の約4500社450本のから半減していてもあまり変わらない。そこでメディアが、膨大な情報の中からそれぞれに視点でフィルタリングやカスタマイズして情報を届けていたのだが、メディアがその作業を非常にやりにくくなり、一般と対等になってしまったのだ。これでは一般の人も正直困ると思うのだ。

そこで誰かがフィルタリングする役目を果たす必要がある。その役目をメディアが引き続き行えるか、あるいは主催がそこを含めて行うのか。ニューノーマルならぬニューミドルマンがメディアにも必要ではないだろうか。