【CES2021】Vol.05 コンテンツ制作に革命を起こすソニーのImmersive Reality Liveの凄さ 

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映像技術的に大注目であったソニーのプレスカンファレンスを紹介しておく。ソニーのプレスカンファレンスは、例年メディアデーの前日にカンファレンス会場ではなく自社ブースで開催しているものだが、今年はやはりオンラインで実施された。

登壇したのはCEOの吉田憲一郎氏である。CES2021のプレスカンファレンスやキーノートは、多言語の字幕サービスが行われた。下の写真はオリジナルの英語のものからのキャプチャーであるが、

ソニーCEOの吉田憲一郎氏

下の写真のように日本語による翻訳がクローズドキャプションで表示できるようになっている。

日本語字幕の翻訳クオリティーも高い。

対象言語はこちらの17言語である。おそらくすべての配信は録画されたものだと思うが、翻訳は機械翻訳されているものと人手によるものが混在しているようだった。ソニーの日本語字幕は機械翻訳ではなく、正確に行われたものを利用しているようである。

17言語をクローズドキャプションで選択することができる

この動画は、そのまますべてを一般公開はされておらず、いくつかのパートがソニーのYou Tubeの公式チャンネルにも公開されている。なんと言っても、ソニーの動画は他社のものと比べると圧倒的にクオリティーが高い。映像の編集はもちろんだが、音声の録音状況、MA処理も完璧であり、さすがソニーはこういたところにこだわっていると思わせるものだ。

冒頭の部分はYouTubeのソニー公式チャンネルでも公開されている。

さて、映像の中身についてであるが、上記ではソニーがドローン事業にAirpeaで参入したことをアナウンスした。この中ではさり気なく「宇宙と地球の映像をリアルタイムで伝える」と言ったことに触れており、これがどういうことを意味しているのか非常に気になるところだ。

宇宙と地球の映像をリアルタイムで伝えるとはどういうことなのだろう?

また昨年のCESで登場したEV、Vision-Sが公道でのテストを行っていることが紹介された。上級からの映像はAirpeakで撮影しているようだ。

またやはり昨年登場したバーチャル撮影システムであるATOM Viewがさらにグレードアップしていることを伝えた。下の映像もATOM Viewで制作されている。

上の映像の制作風景。背景はCrystalLED。マイクのブームは何故か人が操作している。

さて、今回最もイノベーティブだったのは、「Immersive Reality Live」である。このライブ映像は、ジャスティン・ビーバーが発掘したアーチスト、マディソン・ビアーによるライブ映像である。これはモーションキャプチャーをベースにした完全合成によって制作されたものだという。

次の動画では、そのメイキング風景も含めて紹介されている。合成であると知らされなければ、どう見ても実写にしか見えない圧倒的なリアリティである。撮影現場では、彼女はモーションキャプチャー用のスーツを着てパフォーマンスをしている。更に注意深く見ると、そのままリアルタイムで衣装を着た状態の映像として出力されているではないか。つまり瞬間に着替えを行うこと、歌舞伎でいう早変わりができるのだ。

本人の身体を予め無数のカメラでスキャンして3Dデータ化している。これによって顔の前にカメラを付けた状態でパフォーマンスを行っても、彼女の表情を捉えながらカメラを消すことができる。

今回の事例は、実写で制作しようと思えば十分可能ではある。こうしたイマーシブなコンテンツは、CGもそうであるが、実写ではできないことを表現するという方向性と、実写でできることを効率的に低コストで実現するという2つの可能性がある。このImmersive Reality Liveのコンテンツは、PlayStation VRでも体験できるとしており、オーディエンスがステージ上に上がって体験すると言った実現不可能なことも可能にしてくれる。

ATOM ViewとImmersive Reality Liveというテクノロジーは、映像制作な革命を起こしてくれるに違いない。これはさすがソニー、である。