タッチパネルディスプレイを利用したフロアガイドは世界のあちこちで数え切れないくらい見てきた。たぶん30箇所は超えていると思う。そんな中で、日本国内では良い事例だと思っていた、藤沢にあるショッピングモール、テラスモール湘南のタッチパネルのフロアガイドがいつの間にか無くなっていた。
この事例は(1)通路の真ん中に設置されていた、(2)2台で1セットになっていた、という2点において、他を圧倒していた事例だ。これがオリジナルではなく、たぶん世界で最初にこういう設置をしたのはロンドンのこの事例だろう。筆者はここに2回、5年くらい間を空けて2回現地で経験をしている。
もう一つはこちらのソウルCOEXの事例。これは2019年に出かけたときのものだ。
深センのこの事例も、本当によく使用されていた。
これらを参考にしたのはわからないが、最近池袋駅に設置された事例も、コンテンツ内容は正直酷いものであるが、設置状況は秀逸である。
そして今日、テラスモール湘南に6,7年ぶり出かけたので、タッチパネルの状況を確認したところ、これが無くなっていたのである。調べてみると開業は2011年なので10年前。少なくとも3,4年は使われていたと思われるが、どのタイミングでなくなったのかはわからない。筐体はそのままで。内照式の印刷されたパネルに変わっていた。

設置場所は以前と同じなので、通路の真ん中に置かれたものも残っていた。

すべてがアナログパネルになったわけでもないようで、こうした表示をLCDで行なっている例もあった。

2011年の開業であるから、機材的にはもう交換時期になっているのは当然である。しかしその際に、従来と同じものでは更新されなかった。もちろん利用者側が館のレイアウトに10年を経過してなれてきたのでその使命を全うしたというのもあるだろう。
このタッチパネルのフロアガイドは、池袋駅の例と同じでユーザーインターフェイスがとても使いにくかったのは事実。特に複数の店舗を選ぶ際のページを変える操作がとても浸かるものではなかった。当時あまりにもったいない、せっかくいい設置なのでほんの少しだけUIを変えれば劇的に改善されると、直接設置を担当した会社に話したのだが、結局改善されることはなかった。
前述のように海外の事例ではあるが、驚くほど使われている事例もある。テラスモール湘南の設置方法が無くなっていたことは、非常に残念であると同時に、タッチすること自体が問われている状況でもあり、タッチパネルによるフロアガイドはもう生き残ることはできないように思った。