池袋駅の自由通路ど真ん中に登場した空中タッチサイネージ

Digital Signage /

池袋駅(東京)の自由通路に案内用インタラクティブサイネージが設置された。このサイネージは、今後の案内用サイネージの導入や開発を検討する際に、2つの点で参考になるので紹介したい。

1点目は、画面に触れずに操作できる「空中タッチ」サイネージであることだ。通常のタッチパネルで赤外線方式センサーを使う際には、画面に接触したところで指を検知するよう、ガラス面近くに発光部および受光部を設置するが、このデジタルサイネージでは、画面から浮かせた場所に設置している。このことで、指が画面にふれるよりもずっと手前で検知するようになっており、「空中タッチ」で操作できるようにしている。

筐体表面あたりの黒い縁が赤外線センサーになっているため、画面に触れるよりも手前で指を検知する。
筐体表面あたりの黒い縁が赤外線センサーになっているため、画面に触れるよりも手前で指を検知する。

コロナ禍をうけてモノに触れることへの忌避感が強まり、タッチパネルに逆風が吹くなか、空中映像や測距センサーなどを活用した非タッチ操作技術に一時的に注目が集まった。ただ、コストやユーザビリティー、メンテナビリティーの問題から、実装するに至ったケースは少ない。ところがこの端末では、枯れた技術である赤外線センサーを採用し、設置位置を工夫するだけで空中タッチを実現した。まさにコロンブスの卵だ。これであれば、コストをかけることなく、空中タッチが実現できる。操作性にも問題はない。コロナ禍が収まったとしても、公共の場でモノに触れることについてはしばらく忌避されることになるだろうが、券売機や食券機など、どうしてもタッチパネルが求められるところもある。そのなか、簡単に「空中タッチ」を実現できるこの方式は検討するに値する。

最近の赤外線センサーはマルチタッチにも対応している。
最近の赤外線センサーはマルチタッチにも対応している。

空中タッチサイネージを作る際に気をつけなければならないのは、スワイプ操作が難しいことだ。基本的にタップ操作しかできない。スクロールが必要な画面でも、タップでスクロールできるように画面設計したほうがよい。

もう1つの特徴は、設置位置と方法だ。駅の自由通路のど真ん中に、2台を背中合わせに設置している。このような設置方法はなかなかない。

2台が背中わせに設置されている。
2台が背中わせに設置されている。

タッチパネルサイネージは、どうしてもユーザーが滞留してしまうため、それが動線を邪魔すると危惧され、柱の脇、通路の脇などの目立たないところに押し込められることが多い(そして十分な機能を果たせない)。それらに比べると、この機材はかなりいい場所に設置されている。また、2台を背中合わせに設置しているため、片方が使われているとそれが呼び水になってもう片方にも人が寄ってくる。

案内をするには、その端末自体が目立っていないと機能しない。まず第一にそのことを認識するべきだし、そのときにこのような設置位置と方法は参考になるのではないだろうか。

これほど目立つ位置に設置しても、離れてみると何の端末なのかがわからない。天吊のサインなども活用したいところだ。
これほど目立つ位置に設置しても、離れてみると何の端末なのかがわからない。天吊のサインなども活用したいところだ。