AR(拡張現実)で屋外広告は進化するのだろうか

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屋外広告にスマートフォンをかざすとARで追加の情報が得られるサービスは販促やスタンプラリーなどで用いられているが、屋外広告のない街や駅など日常利用する風景に、デジタル看板やアートなどが空間上に表示されるARコンテンツを試してみたので紹介する。

SoVeC株式会社のARアプリ「XR CHANNEL」KDDIのVisual Positioning Service(VPS)により、街の建物などの3次元情報をスマートフォンやスマートグラスのカメラ機能で認識すると、日常の空間に、デジタル看板やナビゲーション、広告宣伝、アートなどのコンテンツ表示が可能となり、この技術の活用で2020年12月1日から12月8日まで、Ginza Sony Parkにジョン&ヨーコの巨大ビルボード「WAR IS OVER!(IF YOU WANT IT)」がARで出現した。

ARアプリ「XR CHANNEL」をスマートフォンにダウンロードし、アプリのMAPに表示される指定のARイベント場所で周囲をスキャンすると、「Look Here」マーク付近に3Dコンテンツが登場する。

ジョン・レノン生誕80年目を迎えて開催中の「DOUBLE FANTASY – John & Yoko」東京展のプロモーションであり、1969年のクリスマス時期にジョンとヨーコが世界中の主要都市に「WAR IS OVER!(IF YOU WANT IT)」というビルボードやポスターを掲げたキャンペーンをARで当時の雰囲気を忠実に再現しているものだ。

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11月16日から11月30日までは、「HAND!in Yamanote Line‐山手線でアートと音楽を楽しむ15日間‐」イベントにおいて、東京駅丸の内駅前広場でARアートコンテンツが楽しめた。

こちらのコンテンツは、新型コロナウイルス感染症の終息の願いを込め、東日本エリアの伝統アート「赤べこ」「七夕飾り」「三角だるま」をモチーフとしたARアートだ。  

屋外広告は日常生活の導線上から情報を伝える手段であり、生活者は受動的に情報を得ることができるが、屋外広告のない街の風景にスマートフォンをかざしてARコンテンツを能動的に取得してもらうには、その場所その時間にARコンンテンツがあるという認知と更にコンテンツの魅力が重要となる。今のところスマートフォンで周囲をスキャンしてARコンテンツを楽しむ利用者はかなり限定されるだろう。ただ、どれくらいの人が見たかを計測することは容易であり、またARコンテンツを撮影した写真がSNSなどで拡散される効果も見込まれる。

まだ費用対効果の高いプロモーションとは思えないが、今後、Facebookが開発を進めているARデバイス「レイバン」ブランドのARグラスなどが市場投入され、仮想世界と現実世界を効果的に融合させることが出来るウエアラブルARが普及してくれば、「1対多」の屋外広告に加え「1対1」のAR屋外広告の可能性もあるだろう。現実世界の屋外広告と拡張現実のAR、そして仮想世界VRでの屋外広告もウオッチしていきたい。