スーパーの顧客体験を変える10X

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2017年創業の10X(本社:東京都中央区、代表取締役:矢本真丈、以下10X)がウイズ・コロナの時代に勢いを増している。開発不要でネットスーパーを立ち上げ可能な「Stailer」(ステイラー)を提供している。同社のミッションは「10xを創る = ユーザー体験に10倍良い(≒ 非連続な)体験を提供する」ことだ。

2019年夏、10xは小売流通企業との事業開発を進めながら、もう一つのプロジェクトを走らせていた。彼らは以下の仮説を立て、ネットスーパーの検証を行った。

10X自身が完全にコントロールできるサプライチェーンを構築する方が、早く/理想のネットスーパーをスケールできるのではないか?

10xのブログ記事より引用

同社はシステム開発会社であるのに関わらず、仕入れ網・ピック&パック倉庫・ラストマイル配送と自社でアセットを抱えて食品を販売する実験を自ら選択する。

元々。食材をネットスーパーでまとめて注文できる「タベリー」を開発していた同社は検証を重ねる中で、「Stailer」の開発を思いつく。ネットスーパーが次の10年で最重要な社会インフラだと捉え、ここに開発のリソースを集中させたのだ。

日本の食品の流通額は64兆円と極めて巨大だ。特に最大のチャネルはスーパー(13兆円)であり、デジタルで流通しているのは1%程度だ。EC大国・韓国では10%近くがデジタルで流通している。タベリーは「食卓に並ぶ献立をどうするか」というユーザー体験のIssueから始まった。そしてサプライチェーンとの連結を試みる中で、小売流通企業のIssueを知り、そしてサプライチェーン構築の難しさを知った。今10Xにできる市場への最大限の貢献がStailerだ。複雑なシステムを替え、ユーザー体験を替え、日本にネットスーパーというインフラを揃えたい。

10xのブログ記事より引用

Stailerは、ネットスーパー事業の立ち上げ・運営を行う小売・流通事業者を対象とし、レガシーなシステムを置き換え、便利な顧客体験を実現するサービスだ。長期的にネットスーパー事業を成長させるために必要なAPI、データベース、エンドユーザー向けのアプリ、分析ツールといったシステムをフルセットで提供している。

既にネットスーパーを運営中の事業者にとっては、既存のシステムの改修を必要とせずに利便性の高いスマートフォンアプリを提供することができ、ユーザー層の拡大や継続率の向上をサポートできるようになる。また、新たにネットスーパーを展開される事業者にとっては、既存の商品データをStailerと連携するだけで、ラストマイル配送やドライブスルー受け取りに対応したネットスーパーの展開が可能となる。同時に、必要なパートナー選定やシステム連携等も10Xがサポートし、スムーズな立ち上げができると言う。

Stailerの特徴は以下の3つだ。

1.開発不要でネットスーパーが開始できる

Stailerを導入することにより、事業者は新たな開発不要でネットスーパーアプリを提供することができるようになる。またStailerは常にアップデートされ、ユーザーニーズの変化に対しスピーディに対応しスーパーのDXをサポートする。

2.既存システムを置き換えるAPIとDB

店舗や配送センターごとに分散した商品等のデータベースをStailerが自動で1つのデータベースに統合。またバックエンドをStailer APIにより置き換え、ECサイト/アプリ等のクライアントや、分析・CRMツール等で利用可能となり、ネットスーパーの事業運営を加速させる。

3.ネットスーパーに最適化されたモバイルアプリ

ネットスーパーに最適化されたUI/UXを備えるモバイルアプリを提供。商品を探しやすい売場や、「注文履歴」や「マイリスト」機能により、時短で便利な買い物体験を提供する。また7,000件以上のレシピを元に、自動で毎日の献立が提案される「献立」機能も搭載。必要な食材はワンタップで購入でき、ユーザーの毎日の食のサポートと購入単価の向上を両立できる。

大手スーパーの「イトーヨーカドー」がこのStailerを導入している。大手流通でも自社の価値をDX化することは難しく、デジタル化に長けたベンチャーの10xがパートナーに選ばれたのだ。

新型コロナウィルスの感染拡大防止や消費者の非接触による買物ニーズが高まる中、ネットスーパーを支援する同社の動きに今後も注目したい。「(流通の)複雑なシステムを替え、ユーザー体験を替え、日本にネットスーパーというインフラを揃えたい」と同社のCEOの矢本氏は語るが、彼らのスピーディーな取り組みをみているとこのビジョンの実現も近そうだ。

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