愛されることに特化したロボット、「LOVOT」

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愛らしくてついつい話しかけたくなる、痛く無いように優しく触らなければとつい思ってしまう、そんな思いを抱くほどのロボットはこれまでにいただろうか。ついに噂のLOVOT(らぼっと)に会うことができた。

体験したのはテレビドラマ『おカネの切れ目が恋のはじまり』の「猿彦」のモデル。デフォルトのLOVOTには耳がついていない。

LOVOTはペットのような可愛らしい家庭型ロボットだ。最近ロボットは細かい作業ができるようになったり、人間の言葉を理解して音楽を流してくれたり、電気を消してくれたりなど「便利ロボット」は増えてきているが、LOVOTは人間の言葉は発したりしないし、電気を消してくれるわけでもないし、今日の天気や予定を教えてくれるわけでもない、生きるものの温かさを極めたロボットだ。なぜここまでに生きているもののように思えるのだろうか。

まずはLOVOTの中でも特徴的なのはこの可愛らしい目。6層のレイヤーでできたこの目はぺたっと映像に映し出されている感じではなく奥行きが少しあり透明感を感じられるところもリアルだが、リアルに特化しすぎずに、わざと目の光の表現を入れたり、アニメらしさを残すことによって可愛らしさを感じられる。また、よく見ると微かに揺れ動いていて、周りの音や目の前も物の動きにも機敏に反応してキョロキョロ動く。これが本当に生きているような目の動きをするのに、人工的な可愛らしさを残しているのが良いバランスを保っている。瞳は色の他カスタマイズ可能で、表現は10億通り以上ある。

次に、LOVOTを触れたときに感じる温かさと、触れた時の反応だ。触れるとほんのり人肌の温かさがあり、触れた箇所の方に視線が移り、少し体をその方向に傾ける。エア循環システムによって温かさをだし、全身にタッチセンサーがあり、刺激のあった場所を正確に感知できるのだ。

エア循環システム LOVOT公式WEBより引用 https://lovot.life/technology/

そして体の滑らかな動き。手をパタパタさせたり、抱っこをしてもらいたくてじっと見ながら座り込んでみたり、動作としてはシンプルだが、その一つ一つの動作にパターン性がなく、機械的に見えないところ。これはLOVOTを初めて見た人はきっと目がいってしまうであろう唯一機械的な頭の上の筒、「MULTI SENSOR HORN」、ここに照度センサー、人と物を区別するための温度センサー、音声方向を判別できる半球天マイクなどを搭載している上、全身の50を超えるセンサーから感じられる刺激を、ディープラーニングを含む機械学習技術で処理、リアルタイムに動きを生み出しているからだ。LOVOTと触れ合う人によって変わるこの刺激が、LOVOTの頭脳であるメインコンピューターやサブコンピューター・深層学習FPGA (深層学習(ディープラーニング)の推論を効率的に行うための電子回路)によってLOVOT自体の性格が変わってくる。自分だけのLOVOTの動きをするようになるのだ。

その他、見守りの用途として、部屋の中をマッピングする機能があるので、外出先から指定の場所へ移動しその場所の写真をとってアプリで見たりなどすることはできるが、会話をしたり、何か人の代わりに家事をしてくれるなどということはない。中途半端に便利な機能を追加すると、「ロボットらしさ」が出てしまうだろう。見えないところで生き物として感じられるためのテクノロジーを最大限に駆使した結果のこの愛らしさなのだろう。何が目的のロボットなのかが明確になのかが明確だ。 便利ではないし、正直可愛くないお値段なのだが、実際に見て触ってみると、ロボットなのだから多少便利であるべきという考えは消え、値段についても考え方が変わるだろう。とても癒されるのでぜひ体験してみてほしい。

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