デジタルサイネージ広告市場の日本と米国の調査結果

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サイバー・コミュニケーションズ(CCI)がデジタルインファクトと共同で実施した、デジタルサイネージ広告市場に関する調査結果が11月25日に発表され、2020年のデジタルサイネージ広告市場規模は516億円(前年比68%)の見通しとなった。OOH業界にとっては今後の見通しも含め衝撃的な結果であり、8月にeMarketerが発表した米国のOOH広告市場と見比べてみた。

CCIの発表に因ると、「新型コロナウイルス感染拡大により2020年は一時的に大きく減少したが、今後は、経済環境の回復に沿って緩やかに需要の回復が予想される」と解説しているが、

昨年の同時期のCCI調査では、2018年のデジタルサイネージ広告市場規模は665億円、2019年の見通しは749億円、2020年以降の見通しでは、2020年:873億円、2021年:1,002億円、2022年:1,125億円、2023年:1,248億円と予測されていた。

今年発表の市場規模は、2020年:516億円、2021年:622億円、2022年:764億円、2023年:899億円、2024年:1,022億円の予測である。つまり、2020年の市場規模は2017年前まで減少し、2019年の市場規模まで回復するのは2022年、交通と屋外については、2019年の市場規模まで回復するのは2023年以降という調査結果だ。

新型コロナウイルス感染拡大前のOOH広告市場は2020年以降も着実に増加すると予測されていたが、2020年は外出自粛、イベント中止、交通量の減少等で、世界中のOOH広告費が減少したことは間違いない。

eMarketerが8月に発表した調査結果では、米国のOOH広告市場の見通しも3月調査の88.7億ドルから82.5億ドルに下方修正されているが、日本との違いは2021年以降に急回復する予測ということだ。

https://www.emarketer.com/content/us-digital-out-of-home-ad-spending-2020

なお、米国のデジタルOOHは、2020年で米国のOOH広告市場全体の33.0%を占めているが、プログラマティックOOHは2020年に倍増するも、OOH広告市場全体の2.2%とまだ小さい。ただし、デジタルOOH市場を母数にすると2020年には6.7%となり、2022年には14.8%になる予測だ。

https://www.emarketer.com/content/programmatic-ooh-ad-spending-will-double-2020-remains-experimental

OAAA(Out of Home Advertising Association of America)がVerizon Mediaから委託され米国の広告主と代理店のOOHメディア意思決定者250人に調査した結果も最近リリースされたが、米国の広告主はデジタルOOHについて非常に前向きに捉えている。

  • 広告主の90%は、消費者は家庭内のデバイスに疲労し屋外で時間を過ごすことが多くなっているため、OOHは現在広告出稿する適切な媒体と回答している。
  • デジタルOOHへの広告支出は回復しており、広告主の39%が直ぐにまたは6ヶ月以内に支出を増やすと回答、59%が18ヶ月以内に支出を増やすと回答している。
  • 94%の回答者が、デジタル広告では足りないリーチのためにデジタルOOHに関心があると答えている。

https://mailchi.mp/7f6b51b7dd96/oaaa-sales-tipdigital-ooh-engages-consumers-and-drives-activations-83985

日本と比べ米国は、OOH業界団体やOOH媒体社が広告会社や広告主をも巻き込み、コロナ禍におけるOOHの価値を高める取組み(オーディエンス・メジャメントのデータプラットフォーム構築やプログラマティック取引の仕組み作り等)と情報発信(オンラインセミナーやイベント、様々な調査やブログなど)を積極的に行っている印象だ。