リニューアルした銀座駅のサインとOOH

Digital Signage /

駅構内で広告として設置されているデジタルサイネージは、できるだけ通行量が多いところに、動線に正対させる形で連続設置されるのが一般的になった。通行者に対しての強制視認性がもっとも高い方法だからだ。

ところが、2020年10月にリニューアル工事が完了した東京メトロ銀座駅の駅構内一部では、少々変わったデジタルサイネージの設置がなされている。柱を巻くようにしてモニターを配置しているのは、一般的な設置方法なのだが、その周囲に休憩所のようなスペースを設け、スタンディングテーブルを設置している。

スタンディングテーブルのモニター側には、コンセントが設置されており、駅利用者はここでデバイスを充電しながら、ちょっとした作業などが行えるようになっている。10分程度の滞留を前提にした作りなっている。

デジタルサイネージのモニターは大きいとはいえ、通行者の間にテーブルが設置され、人が滞留するために、見えにくくなる。コンセントの利用を目的に滞留した人に何かを見せるのであれば、モニターを見るようにコンセントを通路側に設置するはずだが、実際のコンセントはモニター側にあるために、人は自然とモニターに背を向けて立つことになる。放映されているコンテンツも、その他のOOHと同じで、尺が長いなど、長時間の視聴を前提とした滞留者向けのものにはなっていない。

広告媒体としてではなく、演出媒体としての設置であれば、まだ理解できるのだが、11月の段階では、その他のデジタルサイネージと同じく広告素材が放映されていた。周辺のスタンディングテーブルを含めてどのように活用するのか、引き続き見ていきたいと思う。

また、今回のリニューアルでは、改札内の天井に「オリエンテーションサイン」がつけられた。たとえば、銀座四丁目交差点の真下あたりの改札内天井には、交差点角にある和光本館、銀座三越、三愛ドリームセンター、銀座プレイスが実際の方角に合わせて描かれている。この絵だけで、乗降客は座標と方角を取り戻し、どちらに進めば目的の方角に進めるのかが、わかりやすくなった。

さらに、地下空間での座標の回復のための工夫として、出口階段下に当該の出口からの景観イラストが掲出された。営団地下鉄のころには、イラストではなく実際の景観写真を掲出していたこともある。ただ、物の建て替えで景観が変化したり、特徴的な景観が少なかったりするために、そのほかの駅には広まらないまま、撤去されてしまった。しかし、改めて見ると、やはりわかりやすい。銀座ほど特徴的な屋外風景はないのかもしれないが、このような座標回復の工夫が広まると、より使いやすい駅になるのではないか。