これまで長らく、交通広告は場所の価値で取引されてきた。ところが、コロナ禍によってその価値基準が大きく崩れたことで、インプレッションベースでの評価に変わりつつある。ビズライト・テクノロジーでは、埼玉高速鉄道車両内にて初のインプレッションベースの広告配信を行い、そのアクチュアルデータの公表を行なったが、関東における交通広告媒体の2大巨頭ともいえるこの2社でも、インプレッションベースへの移行を試みているようだ。
ジェイアール東日本企画
10月8日 ジェイアール東日本企画 OOHをより分かりやすく、使いやすいメディアへ 『Universal OOH』をスタート
OOHメディアのUX向上に向け、新サービスを開発・提供し、データ整備やデジタルソリューションとの連携など市場ニーズに合わせた取り組みを強化いたします。
これまでOOHメディアの取り扱い実績が少ないデジタル広告専業会社等との連携を強化し、セールスパートナーとしてOOHメディアを販売いただくことで新しい活用機会の創出を図るとともに、新たな課題を顕在化させ改善をすることで、多様なニーズに対応できる環境の構築を目指します。
具体的な記載はないのだが、「データ整備」「デジタル広告専業会社等との連携を強化」との表現からは、広告効果指標の策定や、SSPとの接続なども検討していると思われる。
メトロアドエージェンシー
メトロアドエージェンシーは、駅利用者への効果的な広告訴求が可能な広告メディアであるデジタルサイネージのネットワーク展開を積極的に進めており、今回の実証実験では、メトロアドエージェンシーが運用・管理している19駅23面「MWV」をOMSが仕入・管理し、LIVE BOARDが提供しているLIVE BOARDマーケットプレイスに接続、インプレッションベースでデジタルOOHの広告配信および販売を行います。
9月28日からインプレッションベースでの広告配信の実証実験を開始している。
ここに進めば、もうこれまでの牧歌的な媒体評価には戻れなくなる。交通広告のリーダー格の2社が動き始めたことで、業界全体が変化せざるを得なくなる。