レストランシェア

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シェアハウス、カーシェア、サイクルシェア、オフィスシェア、シェアポイント、シェア畑・・・「シェア」で検索すると、このような言葉がヒットしてくる。シェアードビジネスは、様々な資源を有効に活用する手段であり、コロナ禍で収益、収入が減少した企業や家計にとって、課題解決策の一つとなりえる。

シェアードビジネスが広がりを見せる中、吉野家ホールディングスは、去る6月より、レストランシェアを支援するビジネスを本格的に展開、1か月ほどで、500件のシェア化を実現しており、その勢いは加速しているようだ。

不動産オーナー空き店舗の発生リスクが低減できる
現飲食店経営者「使えない時間」「効率の悪い時間」を
「稼ぐ時間」に転換できる。
飲食店開業希望者設備投資が抑えられる。
テストマーケティングとして使える。
来店顧客数、顧客層が想定しやすい。
顧客時間帯、日別でイロイロなプロの料理が楽しめる。
レストランシェア:それぞれの立場による主なメリット

個性的なハードウェアでブランドイメージを追及したいオーナーや厨房は聖域だから誰にも触らせたくない職人にはウケが悪いだろうが、以上それぞれメリットがあるため、今後このような展開はさらに広まるのではないだろうか。

さて、筆者の住む地方都市にも、シェアレストランが最近オープンしたと知ったので行ってみた。こちらは、日単位(一部昼と夜で入れ替わっているケースもあり)でシェフが入れ替わる。キッチンは各シェフとそのスタッフが入れ替わりで受け持つが、サービスは共通のスタッフ(この不動産オーナー自ら)が変わらず担当するので、常連客へのホスピタリティも失わない仕組みだ。

ほぼ日替わりで6ジャンル、サブメニュー系で2ジャンルが毎日提供されている。それぞれ、市内または地方都市で自前の店舗を経営している方がほとんどだった。アレンジメントはかなり苦労したのではないだろうか。

この例では、調理場や店舗の物理的なスペースのシェアから、顧客のシェア(言い方はちょっとどうかと思うが)にうまく展開できていると感じた。オーナー、シェフ、顧客、皆ハッピーなはずだ。ここはパラレルにプロをキャストした例だが、メインを確立した上で、アイドルタイムや休日だけ若手にシェアしたり(前述の吉野家ホールディングスの提案は、そのようなスタイルが主流のようだ)、物販やサービスといった異業種へのシェアもありだろう。今後様々なスタイルが現れることに期待したい。

さて最後に、筆者の勤務先近くの、とある店舗を紹介したい。ここでは、2つの看板を掲げ、それぞれ違うジャンルの料理を共通のスペース、時間帯で提供している。厨房や従業員もうまくシェアしているようだ。全く違うジャンルの専門料理を同時に楽しめるので、顧客にとってはよいことなのだが、なんと「お会計」を分離してしまっている(リアルに2台のレジが並ぶのだ!)。こういう顧客無視のシェア(分離)はありえない。本編では、オーナーや経営者視点で、空間や時間や顧客をシェアすることによる「効率化」を掲げたが、なによりも顧客にとって「おもしろい」「楽しい」「便利」を外してはならないだろう。