ブラックマジックデザインはATEM Streaming Bridgeで価格だけではなく業界構造まで破壊していく

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ATEM Streaming Bridgeは、ATEM Mini ProシリーズからH.264ストリームを受信して、SDI/HDMIビデオに変換するビデオコンバーターである。そこだけ聞くと「ふーん」で終わるのだが、これはオンライン配信に破壊的な衝撃を与える可能性がある。

下の図を見てもらいたい。ATEMから出力されたH.264のストリームを、LANまたはインターネットを介して別の場所に設置されているATEM Streaming Bridgeがそれを受信して、SDIかHDMIで出力することができる。

これによっていくつかのユースケースが想像できる。

筆者も含めてATEMを利用して自宅をスタジオ化している人たちをネットワークし、それをとりまとめて配信するチャンネル的なものの構築が可能だ。ATEMを利用してここ最近配信を始めた人は、YouTuberやTikTokの発信者とはセグメントが異なる。前者はそもそもプラットフォーム上での発信者だが、ATEM層は特定のプラットフォームに集約されておらず、告知拡散ツールとしてSNSを利用しているだけである。ATEMの先にはそれなりの機材が使われていて、クリエイティビティと映像クオリティもちゃんとしている。

またATEM Streaming BridgeをSTBのように使う場面はB2Bではあるかもしれない。ただしあくまでもコンバーターとしているからだろう、配信はあくまでもユニキャストで1:1のみで、1:Nの多拠点配信はできない。

取りまとめ役を放送局がやるというのが当面のユースケースだろう。コロナ以降、現在あちこちからリモートでの入中先として、ZoomやSkypeが使われているのは周知のとおりだ。それらは放送コンテンツの中ではあくまでも入中でしかない。ATEMのアウトプットはそれぞれが完成されたコンテンツである点が大きく異なるはずである。

また、同じ建物内で映像を配信したい場合、それはデジタルサイネージでもよく発生する事案だが、なかなか手軽で高品質のソリューションというものがありそうでない。こういう場面でも利用価値があると考える。

個人宅、ライブハウス、企業のショールームなどの分散した配信拠点とそこから創り出されているコンテンツを高品質でネットワークすることが可能になる。

詳細の機能はこのビデオで確認してもらいたい。対応しているのはATEM Mini ProとISOで無印Miniは対象外。筆者もATEM Streaming Bridgeをオーダーしたが、現時点では納入日は未定とのことだ。