主観映像について考える

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主観映像という映像手法をご存知だろうか。POV(Point of View)ショットのことで、人の目線、見た目の映像のことである。こうした撮影者目線が視聴者目線と一致する映像表現に注目している。

主観映像の代表格はヒッチコックだろう。見る人の目線で撮影された作品は、感情移入がしやすく、自分ごととしてリアリティがある。

この「自分ごと」と「リアリティ」というのが今後の映像コンテンツのキーワードになるように思う。作り物としてのフィクションにはどうしても嘘臭い感覚が伴う。だれでもスマホで簡単に映像撮影が可能になり、SNSなどでそうした映像を見慣れてしまった私達には、作品性の高さよりは親近感やリリティが優先して評価されているように思うのである。

ということで、いま主観映像しか撮れないカメラを使ってあれこれテストをしている。メガネフレームのようなフレームに小型のカメラを固定するのがいちばんいい。ちょうど目の高さからの映像になり、視野角も140度くらいが撮影することができる。「意識としての人間の視界」とだいたい同じ映像を撮影することができるのである。試しに撮影した映像がこちらである。これは両手がフリーであることも重要だ。

ハードウエア的には小型軽量であることが絶対条件だ。既存のカメラで探しているのだが、録画することができるものはいくつかあるが、ライブ配信できるものはほとんどない。今試しているカメラは、スマホアプリに対してはライブ中継できるが、操作系のUI情報を消すことが出来ず、クリーンな映像にはならない。WEBカメラとしてWindowsPCにライブ接続することは可能だが、小型軽量のためだろうか、送出される電流が弱いのだろうか、1メートルほどしかUSBケーブルで伝送できていない。市販の高性能な延長ケーブルを使っても長距離伝送が出来ないので、ライブ配信環境や機材に大きな制約が生じてしまう。

スマホ単体でLTE回線に接続すればもちろんライブ配信は可能だが、スマホをどうやって装着するかが問題となる。下の写真のようなハーネスもあるのだが、微妙に撮影位置が低くなってしまう。また撮影対象にもよると思うが、撮影者が仰々しいので被写体が人間である場合には自然な表情を押さえにくい気がする。そこでスマホを額部分に固定して両手をフリーにし、ワイヤレスイヤホンで双方向会話をしてライブ配信(ビデオ会議みたいなもの)を行ったことがあるが、これはいくつかの用途、現場では相当便利だったりビジネスの可能性を感じたのである。

目の高さから2K、できれば4Kを、LETを介してライブ中継できる機材構成というのが案外難しいのである。

こうした映像は、移動を伴わない観光、映像業界で言うところのロケハン、遠隔地からの作業指示、警備といった用途に相当な可能性があるのではないかと見ている。ハンズフリーであることは絶対条件で、最低限音声では双方向で会話ができることだ。

もう少しテストを重ねて、ハードウエアやサービスの要件を定めて、プロトタイプの開発に着手できるか検討をしてみたいと思う。

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