エッジAIカメラがマスクの非装着を判断

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新型コロナウイルスの勢いが止まらない。日本では感染者が5万人を超えてきたが、三密を避ければ、感染を回避することも可能だ。厚生労働省は、病院以外の感染ルートをレストランやバー、職場、音楽関連イベント、スポーツジムなどの3密(密接・密集・密閉)での環境が多いと指摘する。このような三密をできるだけ避け、マスクを装着することで感染リスクを下げられる。

WHOはソーシャルディスタンスを取れない場合には、マスクの着用が感染を広げにくくするという見解を示している。オフィスでもマスクをしながら一定の距離をとることで、感染のリスクを下げられる。感染ルートがわからない患者が増加している現状では、会社の同僚や取引先とのコミュニケーションにも注意を払うべきだ。

野村総合研究所(NRI)はエッジAIカメラでオフィスの「3密」を回避するシステムを開発した。AIカメラでマスク着用の有無を判断する「NRI AI Camera for Office」をリリースした。

執務エリアや会議室等、オフィス内における3密回避のため、従業員が「マスクを着用しているか」「近接していないか」等、AIカメラが自動的に認識し、音声で注意を促す。

AIカメラが撮影した画像データは、エッジコンピューティング技術によってカメラ端末側で破棄し、解析後のデータのみをクラウド側へ連携する。クラウド側ではアマゾンのAWSの多様なサービスを活用することで、高度なビジュアライズ・分析を可能にした。NRIは本ソリューションを会議室に導入しており、今後、全オフィスへ展開する予定だという。

本ソリューションの特長は、次の3点で、個人情報の保護に配慮されている。

  • 「Amazon SageMaker」で画像認識・分析用AIモデルをエッジコンピューティング用に最適化
  • 最適化されたAIモデルとIoT(モノのインターネット)の実行環境である「AWS IoT Greengrass」をカメラ端末にインストールし、端末上で撮影した画像を分析
  • 顔等の個人情報に関連する撮影画像は、カメラ端末から外部に出力せず、個人情報を除外した分析のデータ(「性別」「年齢」等)だけを出力

クラウドやサーバ上でのAI処理ではなく、端末(エッジ)に閉じた環境でAI処理を行うことで、クラウドやサーバに個人情報が蓄積されることがなくなる。その結果、導入企業は機微情報の漏洩リスク等を最小化することができる。

本ソリューションはカメラ端末がWi-FiやLTE等のワイヤレスネットワークに直接接続できるため、端末の電源のみで設置が可能であり、敷設場所を選ばない点も特長の一つになっている。AIモデル等のアップデートも遠隔(リモート)から実施可能で、敷設後の維持管理はほとんどをリモートメンテナンスで行えるという。