インドOOH市場のオーディエンス・メジャメント動向

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インドのOOH市場規模は、電通イージス・ネットワークのDAN Digital Report 2020よると、2019年で約555億円、広告費全体の6%シェアと日本に比べて決して大きな市場ではないが、Indian Outdoor Advertising Association(IOAA)は、インドのOOH市場全体の成長率は2025年まで前年比約10%伸長、デジタルOOHの成長予測は20- 25%と、デジタルOOHはOOH業界の平均より2倍のペースで成長すると予測している。インドでもOOHの課題はオーディエンス・メジャメントであり、IOAAは「OOH Media Locator」というメディアエージェンシー、メディアプランナー向け業界標準のプランニングツールを3月頃に提供する動きもあったが、COVID-19が原因で実行中断となった模様だ。しかしながら、OOHのオーディエンス・メジャメントの課題はCOVID-19で更に大きくなったため、インドのいくつかのOOH企業が独自のオーディエンス・メジャメントシステムをこの2〜3週間で立ち上げている。

インドでもCOVID-19に因るロックダウンはOOH業界に前例がないほど大きな打撃を与えた。ロックダウン解除後は広告市場も徐々に回復しているが、インドのOOHエージェンシーとOOH媒体は、COVID-19がマーケティング環境も変化させ、予測不可能なビジネス環境では広告主へ最新のデータを提供することがこれまで以上に重要であり、業界標準のオーディエンス・メジャメントシステムを待つよりも、独自でオーディエンス・メジャメントシステムを持つことがOOHビジネスの成長にとって不可欠であると感じているらしい。

WPPグループのKinetic Indiaが7月10日に発表した独自開発の「India On The Move」は、航空、鉄道、道路のリアルタイムの移動データからオーディエンスを算出し、広告主のROIへ必要なものとマッピングするソリューションの提供になるようだ。

これまでのOOH業界は過去の古いデータに基づいてプランニングしていたが、重要なのは、現在の消費者の行動からプランニングし、新しい方法で分析をし、広告主のキャンペーン効果を最適化することが重要で、そのために役割を果たすツールだそうだ。

インドの広告メディア企業Madison WorldグループのMadison OOHはテクノロジーパートナーのAdMAVINと開発した「OTS Measurement Updates for COVID-19 Unlock Times」を7月13日に発表。COVID-19で生活者の移動パターンと交通量は大幅に変化し予測不可能なため、Traffic Count Toolの拡張機能にGoogle Mobility Reportの利用を決定した。Madison OOHのシステムでタグ付けされた25,000以上のサイトの緯度と経度に基づいて特定の場所がマッピングされ、推定されたデータが毎週更新されるようだ。

インドで最も急成長しているDOOHメディア企業のEyetalk Media Venturesはファースト、セカンド、サードパーティのデータを収集、整理、アクティブ化する統合オーディエンス管理プラットフォーム「People」を7月14日に発表した。メディアプランに説明責任を果たすためにデータ収集し、ロケーションベースのオーディエンス・インサイトを使用してキャンペーンの計画に役立つのが「People」で、さらにこのプラットフォームは、DOOHをモバイルと統合して、広告主のデジタルキャンペーンのROI計測にも役立つ機能を提供するようだ。

日本は世界のOOH市場規模で米国、中国に次ぐ3位であるが、COVID-19で浮き彫りになった日本政府のデジタル化の遅れと同様、日本のOOH業界もCOVID-19を契機にオーディエンス・メジャメントのデジタル化急進展を期待したい。