コロナ禍の中で、DXで働き方を変えるNECの取り組み

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コロナ禍が続く中で、テレワークにシフトする企業が増えている。筆者がアドバイザリーをしているベンチャーは、都内のオフィスを解約し、完全テレワークにシフトした。ベンチャーだけでなく、大企業もテレワークを取り入れ、ウイズ・コロナ時代の新しい働き方を模索している。しかし、このベンチャーのように従業員全員がテレワークにシフトできるわけではない。そこに新たなビジネスチャンスが生まれ、IT企業が様々なソリューションを提供している。

今回のコロナウイルスの蔓延で、多くの日本人の価値観は変化し、非接触型のコミュニケーションが当たり前になっている。ワークスタイルが変化する中、企業は従業員の安全を守りながら、事業を推進しなければならない。そのためには、経営者や従業員のマインドセットを変えるだけでなく、テクノロジーを活用し、コロナ時代の新しい働き方を早急に確立する必要がある。

NECは今月から、New Normal(ニューノーマル)時代の新しい働き方をデジタルトランスフォーメーション(DX)の力で実現するデジタルオフィスのプロジェクトをスタートした。

東京・港区の本社ビルで、同社の最新テクノロジーを組み合わせた新型コロナウイルス対策の実証実験を行っている。エントランスにカメラを設置し、本人確認と検温を行う。また、社内の売店では、入店や決済の際に顔認証を活用し、店員とのコンタクトなしに、買い物ができるようにする。

NECはDigital Work Placeの社内基盤を構築するとともに、DXの開発実績・ノウハウを生かし、企業・組織のデジタルシフトを加速する製品・サービスの提供を進めていく。今回のコロナ禍で見えてきた課題に対応するため、生体認証や映像解析などの先進ICTを活用したNew Normal時代の新しい働き方を実現する様々なシステム実証を行い、今後、製品化につなげていくとのことだ。

今回のシステム実証は以下の通り

1、NEC Digital IDゲートレスエントランス/NEC Digital ID入退場ゲート(ショールーム入口/正面玄関入口)

顔認証用カメラやサーマルカメラを活用した2種類の入退管理ソリューションを導入。NEC Digital IDゲートレスエントランスは、マスクを着用した状態でも複数の人を同時に検出・照合し、入場ゲートや警備員によるセキュリティチェックで立ち止まることなく本人確認が可能。さらに、通行者の体表面温度を自動測定しており、感染症対策も同時に行える。

、マスク対応レジレス決済(社内売店)

店舗内に設置したカメラや映像認識技術などを組み合わせ、レジを通さず手に取った商品を自動で決済できる。マスク着用時でも顔認証で本人を照合可能なため、感染症対策としての安全性とスムーズな購買体験の両立を実現した。

3、NEC Digital ID決済POS(社内売店)

パターン認証と顔認証の2要素認証により、POS端末など既存の店舗システムともシームレスに連携し、簡単かつセキュアに決済できる。今回の実証では、マスク着用時における本人確認や、給料天引きやクレジットカード支払いの2つの決済方法にも対応している。

4、NEC マスク着用検知(通路)

歩行者のマスク着用の有無を人物検知カメラで自動的に判定し、未着用の場合は本人に対してその場でアラート通知を行う。これにより、人が集まりやすい場所や厳重な安全管理が求められるイベントなどでのマスク着用の徹底を実現する。

5、NEC 居場所お知らせガイド(業務エリア)

映像解析技術を活用し、指定した社員の作業場所をスマートフォンなどからフロアマップ上でリアルタイムに把握すること可能。フロア全体の混雑状況なども一目で分かるため、フリーアドレスにおける利便性・生産性の向上を実現する。

6、NEC 混雑状況可視化(食堂、エレベーターホールなど)

食堂やエレベーターホールなどの混雑状況を映像解析技術で可視化し、自席のPCなどからリアルタイムで人数や混雑度などの状況を簡単に確認することが可能。これにより、混雑分散による待ち時間の短縮や密状態の回避を実現できる。

7、顔認証を活用したロッカー、自動販売機、自動ドア、複合機、共有PC利用システム(業務エリアなど)

本人の同意のもと事前に登録した顔データに基づき、様々なシーンで顔認証を活用したタッチレスによる効率化を実現する。具体的には、鍵を持たずに荷物の一時保管が可能なNEC Digital IDロッカーや、安全かつスムーズなキャッシュレス決済が可能なDigital ID自動販売機を新たに導入した。

8、NEC Digital ID ゲストウェルカムサイネージ(会議室エリア)

ICTを活用したお客様へのおもてなしとして、来訪時の顔認証によるお出迎えメッセージ(お名前、会議室情報など)の表示機能や、ちょっとした空き時間に楽しめる笑顔測定を活用した写真撮影の機能などを組み合わせたサイネージシステムを設置している。お客様の来訪時に面会予定の社員のスマートフォンにリアルタイムで通知されるため、スムーズな案内が可能となる。また、氏名・顔写真・所属部署などの社員情報をデジタル化し、スマートフォンを用いてタッチレスで社員とお客様との名刺管理が可能なオンライン名刺管理ソリューションも開発し、社員とお客様との安全かつスムーズな対面によるコミュニケーションを実現していく。

今後、NECはこれらの技術の外販を目指していくとのこと。接触機会を減らすテクノロジーが日々リリースされているが、実際、様々なシーンにビジネスチャンスがあることがわかる。ウイズ・コロナ時代の顧客のペインを想像し、それを減らすプロダクトを生み出すことで、企業はビジネスチャンスを作れる。