マクドナルドに学ぶ「コロナ時代こそモバイルオーダー」

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モバイルオーダーは、注文での行列をスキップすることで客を行列待ちストレスから開放し、より気軽な利用を促すことができるため、ファーストフード業界でモバイルオーダーの導入が増えてきている。そのほとんどは「来店前にネットで注文、店舗カウンターで受け取り」との発想だ。ウィズ/アフターコロナ時代に突入したいまであれば、行列という密を避けられる点でも期待が高い。ところがマクドナルドは、すでに店内の座席に座っている状況での注文まで想定されており、座席までのデリバリーも含めたサービスになっている。マクドナルドは、モバイルオーダーによってフルサービスレストラン化しているのだ。逆にいえば、フルサービスレストランでもモバイルオーダーが使えることを示している。

店内では行列ができないフルサービスレストランでモバイルオーダーを導入する理由は何かというと、これもまたコロナだ。あらゆるものについて「触れる」との行為へのハードルが高くなり、不特定多数が触るメニューに対する忌避感が高まっている。自分のスマートフォンに触れるだけで注文と決済ができるモバイルオーダーは、安心感を提供できるし、店舗側もスタッフと客の接触回数を減らせるため、感染リスクを軽減できる。ぜひマクドナルドのモバイルオーダーで、店内の座席までのデリバリーを体験してもらいたい。ファーストフード向けのサービスと決めつけるべきではないと実感できる。

だがしかし、2020年1月から全国でサービスを開始しているにも関わらず、実際にマクドナルドでモバイルオーダーの利用を見かける回数は、いまだに少ない。先日は、東京・池袋のサンシャインシティ内のマクドナルドでモバイルオーダーで注文したナゲットを食べながら、どれぐらいの人がモバイルオーダーをするのか小一時間眺めていたのだが、モバイルオーダーによる注文はひとつも見つけられなかった。みんな座席をとったのち、注文カウンターの行列に並んでしまうのだ。座席へデリバリーしているのも5回程度みかけたが、すべてカウンターで注文したものだった。

この手のサービスで最もネックになるのは、客側のインターフェイスの浸透率なのだが、マクドナルドは公式アプリでモバイルオーダー可能であり(2020年1月から全国展開したが、そのときは専用アプリでの注文。2020年4月にモバイルオーダー機能が公式アプリに統合された)、そのダウンロード数は2020年3月時点で6600万、ユーザー数は国内第10位で、数ある飲食店のなかでもっとも成功している。機能だけでいえば、客と店舗の双方にとってメリットが大きく、これだけアプリが浸透しているにも関わらず、モバイルオーダーでの注文が極めて稀だ。その店舗の特性なのか、現金支払いへのこだわりによるのか、新しいことへの忌避感なのか……。ここの課題を見つけ、解決する方法があれば、大きなビジネスに繋げられるとおもうのだが、いかがだろうか。