第2波が懸念される米国のOOH業界団体や企業が発信していること

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米国のOOH業界は、コロナ禍もOOHパブリッシャーや広告会社が、各社のSNSアカウントでトラフィック状況や掲出コンテンツを発信していたが、外出規制の緩和と経済回復、再拡大期に入ることの懸念が混在している今、OOH業界団体(OAAA)やテック企業がOOHの価値を向上させ広告主が活用しやすくするために発信している情報から興味深いものをピックアップする。

OAAAはウェビナーで、OOHが消費者と広告主の双方に提供できる強みを説明した。

米国の全都市が経済再開しているため、テレビの視聴率はコロナ感染拡大前のレベルを下回り、OTTとデジタルメディアが動画広告で優位になっているが、配信する動画制作の遅れが、今後数ヶ月にわたって影響を与え続ける。また、デジタル広告を取り巻く環境ではブランドセーフティーとプライバシーの問題が最大の懸念事項であり、個人ではなく特定のオーディエンスをターゲットとする1対多のメディアであるOOHは消費者へ信頼を醸成しブランドを保護するチャネルである。

デジタルOOHはテクノロジーとデータにより、デジタル広告と同じ指標に基づいてキャンペーンを計画し実行できるため、広告主はデジタルキャンペーンをリアルの世界へ拡張できる。OOH業界はデータ利用に対する認識と信頼を築くために努力する必要がある。デジタルOOHは外出中の消費者が注意を引くコンテンツを表示するためにあり、広告主はSNSで効果的な短尺の無音ビデオを公共スペースに拡張することで、費用対効果の高いブランド保護のオムニチャネルエクスペリエンスを実現できる。

また、オンラインで開催されたブランドセーフティサミット・ニューヨークでOAAAのCEOは、ブランド保護の観点から見た場合のOOHの特徴として
(1)メディアとクリエイティブのコントロール
(2)他のメディアチャネルを増幅する機能
(3)広告自体がコンテンツであるためブロックできない
(4)アドフラウドがない
ことを挙げた。

日本でも、ブランドセーフティーやアドフラウドは、公益社団法人日本アドバタイザーズ協会Web広告研究会がアドベリフィケーションを提供する5社と「ネット広告健全化推進プロジェクト」を6月23日に発足するほど問題が大きくなっている。https://www.wab.ne.jp/wab_sites/general-browse/view/3189/2

また、「個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律案」が6月5日の国会において可決、成立し6月12日に公布されている。改正法が施行されるまでに、デジタル広告のプライバシー問題も深く検討されるであろう。https://www.ppc.go.jp/news/press/2020/200612/

デジタルサイネージソリューションのBroadsignは、「プログラマティックOOHに真剣に取り組むべき時だ」とAdNewsへ寄稿している。

多くの広告主がコロナの影響で予算を大幅に削減し、さらにコロナ感染「第2波」が懸念され広告予算がこれまで以上に精査される時、プログラマティックの柔軟性と機敏性、キャンペーンを瞬時に停止、開始、最適化する機能は有力である。

特定のクリエイティブを特定の時間、特定の場所に簡単にターゲティングできることは非常に強力な利点の1つである。Nielsenが実施した調査によると、オムニチャネルキャンペーンでデジタルOOHは、テレビ、ラジオ、新聞・雑誌のみの場合よりも、広告1ドルあたりのオンラインアクティビティが4倍多くなった。多くのOOHパブリッシャーはリアルタイムのオーディエンスデータに目を向けている。

リーマンショックを契機にオンラインのプログラマティック取引がブームになったように、プログラマティックOOHがOOH業界の復活の原動力となるだろう。