ユニクロのエアリズムマスク騒動から、企業の社会的責任を考える

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先日のGASKETの「マスクというトラスト(信頼)」という記事の中で、イアンブレマーの「マスクを着けろ。そして仕事に戻って、経済を回復させよう」というメッセージが紹介されていた。外出する際には、マスクを正しくつけることが生活者のマナーとなり、トラストを築いているが、この動きを無視する人たちに出会った。

先日、原宿の竹下通りを歩いていると、若者たちの3割ぐらいが、マスクを装着していないのだ。大手町や丸の内などのビジネス街では、ほぼ100%の人がマスクを装着しているし、私が住む郊外の住宅街でも、散歩やランニングをする人たちも含め、ほぼマスク姿で移動している。この原宿とのギャップは一体何なのだろうか?

「マスクをしない方がお洒落に見える」「若者はかからないから大丈夫」という理由を考えたが、大学生の娘に聞くと非常事態宣言が解除されてから、もう大丈夫という安心感が一部の若者の中に生まれ、マスクをせずに移動しているらしい。しかし、都内の患者数の推移を見ると、まだまだ安心できる状況にはない。ぜひ、原宿の若者には、感染リスクを軽減するために、引き続きマスクを装着していただきたい。

さて、マスク装着におけるもう一つの問題が暑さだ。夏が近づき、暑くなる中、涼しいマスクをしたいと言うニーズが顕在化してきた。熱中症にならないためにも、暑さを感じずに、ウイルスをブロックできる高機能マスクが求められている。

そんな中、先日、ユニクロのエアリズムマスクが新発売され、短時間で完売するというニュースを見た。機能性インナーの「エアリズム」に使われている吸湿速乾素材に、細菌などをブロックするフィルターを装着したエアリズムマスクを求め、多くの人が店頭に殺到したという。

全国のユニクロの店舗では、整理券を配布して対応したが、長い行列ができたという。暑さを少しでも和らげたいというマスク需要は、まだまだ続きそうな気配だ。今までは顧客は単にマスクを求めていたが、これからは高機能マスクへのニーズが高まっていく。エアリズムマスクの在庫不足が続く中で、ユニクロは希少性という武器で、顧客をサイトや店頭に引き寄せられる。

最後に、ユニクロに一つ苦言を呈しておきたい。今回の店頭販売により、顧客が殺到し、密な状態を生み出すことは、ユニクロにも事前に予測できたはずだ。なぜ、ユニクロはこのタイミングで店頭販売を行い、三密状態を自ら作り出したのだろうか?TVクルーやメディアが集まりPR効果があることは間違いないが、企業の社会的責任という視点で捉えると疑問が残る試作だった。

三密を防ぐために、オンラインとオフラインの役割をしっかりとデザインすることが、ウイズコロナ時代のマーケティングには欠かせなくなっている。