コロナとは無関係に、わたしたちはスマホだけで誰でも簡単にライブ配信できる時代に生きている。例えば音楽というものは、長らくリアルタイムの実演だけしか存在しなかったのだが、レコードやCDのようなモノとして流通できるようになり、産業として定着した。
ところがインターネットによってモノは不要になってしまった。当たり前である。人々が欲しいのはレコードやCDのようなモノではなく、音楽だから。そしてインターネットによって、特にスマホによって、リアルタイムでもタイムシフトでも自由自在に音楽が聴ける時代になった、素晴らしい時代であるはずだ。
そしてそこにコロナが来た、わけである。
コロナとは無関係に、音楽はモノに閉じ込められること必要はなくなったはずである。かつては場所と時間を共有しなければ体験できなかった生の音楽が、場所の制約がなくなった。実際にコロナ以降、世界中のアーチスト、ミュージシャンが自宅などからライブ配信を行っている。日本では小曽根真さんの配信は、鎌倉のご自宅のリビングルームに招かれたような、とてもリラックスした雰囲気が伝わってくる。
こうした配信自体にかかるコストはものすごく低いが、問題は収入をどう得るのかという話。もちろん収入を得るだけが音楽の目的ではない。趣味で演る人、これで生計を立てる人さまざまだ。
一方で、ライブに関わる沢山の人達の仕事がいま危機に瀕していまる。小曽根さんのライブ配信を見ていると、ある部分、そうした人々の存在がなくても成立してしまうという事実はまず認める必要がある。だからといってコンサート会場に集まって、照明やPAによる素晴らしい演出と感動を否定するものでないことは明らかで、ライブは最高である。
今回のLIVE! GASKET Vol.05では、ライブエンタメのこれからについて、お二人の現場の方とお話をしたい。荒谷さんはさいたまスーパーアリーナで広報や自主企画事業などを主に担当されている方。ミューザ川崎シンフォニーホールの前田さんは、3月に行った無観客ライブ配信「東京交響楽団Live from Muza!」は大きな話題となった。この無観客ライブ配信は6,7月にも3回開催される。
LIVE! GASKETの配信概要とリンクはこちらから。
LIVE! GASKET Vol.05 「STAY HOME 時代のライブイベント」
6月12日(金)20時からFacebook LIVEで配信
(配信後はそのままアーカイブされます)