コロナ時代の勝ち組をNikeのDXから考える

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ウイズ・コロナ時代が日本でも長引きそうだが、ウイズ・コロナ、アフター・コロナの時代には、確実に顧客の買い物体験は変わるはずだ。人が集まる場所に行く機会は確実に減り、リアル店舗の役割は激変する。

その際、顧客のデータを所有し、それを活用できる企業が生き残ると筆者は考えている。スポーツ用品大手のNike(ナイキ)は、データ活用で一歩先に進んでいる。ナイキはデータドリブンの代表格になり、今ではD2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)ブランドと言っても過言ではない。

ナイキは、NIKE LIVE(ナイキ ライブ)というコンセプトショップを2年前からオープンしている。このショップは、ナイキプラス(NikePlus)の会員の購入データ、周辺エリアの売れ行きなどから品揃えを行う店舗だ。エリアの顧客データを徹底活用するコンセプトショップだ。昨年、アメリカ国外で初めて、渋谷スクランブルスクエアにオープンして話題になった。

そのエリアで最も人気であったり、リクエストが多いシューズを把握できれば、店舗の在庫を最適化できるようになる。リクエストに対応することで、顧客は自分の好みの商品を見つけられる。顧客に合わせて、品揃えを充実させることで、顧客の買い物時間を少なくできると同時に、店員の負荷を減らせる。データを活用することで、顧客とスタッフの接触を最低限にできるのだ。

顧客はスマートフォン用のナイキのアプリでオンライン予約した製品を受け取ることも可能だ。アプリから店舗の在庫の確認ができるので、無駄に店舗に行かなくてすむ。

店内ではアプリから商品バーコードを読み込むことで、オンラインと店内の在庫の状況を確認でき、購入可能サイズ、カラーや、商品の情報を見ることができる。アプリのメンバー特典で限定商品の購入も可能だ。

また、店舗内もしくは、店舗の近くにいる場合、NIKEアプリから、メンバーへ各種特典が届けられる。顧客は位置情報技術によって、自分に最適な商品情報の通知を受け取れるので、欲しい製品を見つけやすくなる。自分のデバイスから商品を見つけることで、スタッフとの接触機会も減らせる。

ナイキ メンバーは、通販でも優遇され、最短配送も無料で利用できる
自分にフィットしたアイテムを見つけるために、30日間の試用ができ、返品も可能だ。

DXのアイデアをリアル店舗に適用させることで、ナイキは顧客と自社との関係を変えることに成功している。顧客はパーソナライズされた商品を提案されたり、優遇されることで、ナイキのファンになる。ウイズ・コロナの時代には、データを活用し、顧客をパーソナライズし、ファンにすることが鍵になるような気がする。店舗は店舗、オンラインはオンラインと区別するのではなく、デジタルを活用し、両方を融合させる必要がある。リアル店舗での無駄な接触を減らすアイデアを考えた企業が、今後は顧客から選ばれ、勝ち組になるはずだ。