ニュース番組の取材現場で思ったこと

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筆者は学生時代に地上波の報道局でアルバイトをしたのがメディア業界に入ったきっかけである。その後はニュースはもちろん、様々なテレビ番組の制作や企画して来た。現場を離れて15年以上が経過しただろうか、今回久しぶりに地上波局のニュース番組で、取材を受ける側の立場で現場にいたのだが、ずいぶんと現場が変わっていたのに驚いた。

まずとても丁寧であること。昔はテレビ局スタッフが通った後にはペンペン草も生えないと言われたほど乱暴だったなあと自分でも思うが、今回のスタッフはきわめて丁寧なのである。

またニュースなので放送されない可能性もあることを繰り返し説明をしてくれた。こっちはそんなの当たり前なのだが、中には文句をつける例もなくはないのだろう。

もう一つは食事に関してだ。筆者の頃だと撮影が終わって食事に行くときには、制作会社がスタッフ全員の分を払うのは当たり前の慣習だった。筆者はテレビ業界から社会人スタートしているのでそんなもんだろう、ラッキーくらいにしか思っていなかったが、あとになって他の業界にはそんな慣習は無いことを知った。ところが今回の2クルーは、各自が撮影場所のスーパーで売っているお弁当を買っていたのである。確かに仕事の有無に関わらず、食事はするので自腹であるのは当たり前なのだが、それによって皆で同じ釜の飯を食うという一体感みたいなものを感じられる部分もある。チームワークで仕事をする上では大切なことだと思う。しかし、いわゆるひとつのコンプライアンス、みたいな観点からは好ましくないということなのだろう。

救いだったのは、現場の人達はみんな楽しそうに仕事をしていたのは嬉しいことだ。空き時間に「GASKET的なこと」について、テレビの今後とか、ネットで見られることとか、新しいサービスとかに関して話すと、彼らは彼らなりに地に足ついた意見を持っている。

いまテレビの未来を語っている有識者や、業界の論客よりも遥かにリアリティのある話を、自分の言葉でしっかりと話してくれる。業界の改革派も守旧派もどっちも、現場のスタッフの声を聞く、聞くだけではなく彼らも議論に巻き込むべきである、と思った。彼らの本音は頭でっかちではなく本質を突いていることが多い。