コロナ時代に新しい発想で勝負する飲食店

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コロナ禍が続く中で、ローカルに軸をおいたビジネスが影響を受け、宿泊や飲食業では倒産や廃業が増えている。非常事態宣言が今週にも解消されそうだが、三密を意識する顧客は、今まで通りの行動をするとは思えない。

テーブルとテーブルの隙間が空いている店舗や空間除菌が行われている店舗を、顧客が選ぶことが予想され、今まで通りの売り上げや利益を見込むことは難しい。

3月以降、飲食店はテイクアウトやデリバリーに活路を見出してきた。しかし、ここには2つの問題がある。出来立ての美味しい料理を食べること、スタッフとのコミュニケーションを図ることの2つの課題が残る。

Uber Eatsや出前館を使えば、売り上げを作ることはできるが、この2つの思いは実現できない。顧客も自宅で熱々の料理を食べ、馴染みのスタッフと話ができたら、嬉しいはずだ。

その課題を解決するためにPizzeria Bakka M’unicahは、新しい取り組みをスタートした。こちらは元々鮫洲の店舗で本格派のナポリピザを提供していたが、店内の飲食を中止したため、売り上げが激減。顧客がいる住宅街に出ることを決断し、新たな投資を行った。

なんと本格的な石窯を積んだフードトラック「Bakka号」を作り、ピザの移動販売をスタートしたのだ。コンセプトは「おうちでピッツェリア」!顧客の自宅に出かけ、熱々のピザを提供するサービスを始めたのだ。デリバリーでもなく、テイクアウトでもない新しい形で、この危機を乗り越えようとしている。

世界大会に出場したピッツァ職人が、その場でピッツァを焼き上げるだけでなく、食べログ・ピザ100名店・3年連続受賞の「鮫洲PIZZERIA Bakka M’unica」のメニューをそのまま自宅で味わえる。事前に予約しておくと地ビールも提供してもらえる。

Facebookの投稿を見ると、地元の大田区だけでなく、リクエストに応じて、様々なエリアに出かけている。店舗での体験を自宅でも楽しんでもらうことで、既存顧客をファンにするだけでなく、新規顧客も創造している。外出できない子供や料理疲れの主婦に、焼き立てのピザを提供することで、ファンを増やしている。

コロナ対策も万全で、スタッフはマスク着用、逐一手洗いを徹底し、次亜塩素酸散水で消毒する。支払いもキャッシュレスで、現金は不可にしている。

顧客が店に来ないなら、そこまで行き、作ればよいというアイデアとそれを短期間で具現化した同社のスピード感と実行力が、コロナというピンチをチャンスに変えようとしている。「Bakka M’unica」というバカをイタリア語にした店名が、彼らのパワーを象徴している。バカが今までの常識を壊すことで、新しいサービスが始まり、顧客に支持されるようになるのだ。