画像センサーにエッジAI処理機能を一体化したソニーのインテリジェントビジョンセンサー

AI /

ソニーは、世界初となるAI処理機能を搭載したインテリジェントビジョンセンサー IMX500を商品化した。これは、イメージセンサーにAI処理機能を搭載することで高速なエッジAI処理を可能にし、必要なデータだけを抽出することで、クラウドサービス利用時におけるデータ転送遅延時間の低減、プライバシーへの配慮、消費電力や通信コストの削減などを実現する。

さて、やはりソニーはそう来るかといったインテリジェントなセンサーである。ご承知の通りソニーの画像センサーは性能シェアともナンバーワンで、特にスマートフォンでの需要が高い。今回のインテリジェントビジョンセンサーも、センサーサイズはスマホ標準の1/2.3型(対角7.857mm)有効約1230万画素で、4Kでの出力が可能だ。

簡単に言うと、従来の画像センサーの後ろに画像処理エンジンとしてのDSP(Digital Signal Processor)を重ねているようだ。通常の画像処理、AIのためのDSP処理、そしてAI学習モデルを保存するメモリーから構成されていて、物理的なサイズは従来からの画像センサーと殆ど変わらない。今までならカメラと何らかの処理チップ、例えばVPUを別途組み合わせてやる必要があったのが、これらが一体化されてしまったわけだ。

実際の使われ方のイメージとしては、このインテリジェントイメージセンサーを使って人物の顔を撮影、いや画像として記録する必要はないのでカメラを向けると、男性34歳といった属性メタデータだけを出力できるわけだ。学習モデルが保存できる、つまり変更できるので、年代性別判断用、車種判定用、霜降り肉判定用などの学習エンジン売りビジネスなども登場するかもしれない。更に進むと以前記事にもしているサブスクモデルや出来高制モデルもあり得る。こんなことはAIが高価なシステム売りでしかビジネスが成り立たなかった時代とは全く別の世界間の話である。

現状公開されているデータだけでは、その性能に関しては未知数であるが、画像センサーとDSPを一体化できるということはサイズ、消費電力、速度の点からかなり有利になる。

現在GASKETチームは本業に於いて、「断密AIサイネージ」をはじめとして、コンピュータビジョンによるAIを暮らしの現場に中に導入する案件を多数進行させているが、現場に入れば入るほど、生活者に身近になればなるほど、こうしたインテリジェントなセンサーが必要になっているのだ。

特許などがどうなっているのかわからないが、ソニーはもちろん、他の画像センサーメーカはもちろん、DSPなどチップメーカー側からのアプローチも今後さらに加速していくに違いない。B2C向けとしてはiPhone12 か13にこうしたセンサーが組み込まれることで、新たなビジネスも多数生まれてくるはずである。