ラジオ生番組を出演者全員が自宅からのリモートでOAしたFM横浜の「FUTURESCAPE」

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FM横浜での最長寿番組であるFUTURESCAPE。同番組が4月4日のオンエアで、出演者全員が自宅からZoomで番組に参加して放送が行われた。「新型コロナ対策として、今後どういう状況になるかわからないので実験的にやってみることにした」という説明が番組内でもあった。

まずは番組をradikoのタイムフリーで聴いてみていただたい。この記事は聴いたあとから関心があれば読んいただきたい。聴いてからでないと多分よくわかってもらえない。

筆者はこの番組の常連リスナーである。習慣化されているので昨日も自然に、番組が流れてきた。はっきり記憶がないが、先週の番組の中でZoomの話は出ていなかったはずだ。恐らくかなり直前に決めたのだと思う。番組が始まってすぐに筆者は異変に気がついた。まず最初にわかるのはMC2名の声、特に反響などの「音場」が明らかに違うのだ。番組の進行によってこれは脳内で修正されてしまうのかあまり気にならなくなる。これは音質の問題というよりは、空気感の違いと受け取られる。

ZOOM画面の左上がMCの柳井麻希さん、下が小山薫堂さん、右下はゲストの国境なき医師団の加藤寛幸医師、右上はディレクターのぎゅうひさん
アナウンスブースは無人

この番組には構成台本はもともと事実上ない(失礼w)。小山薫堂氏は言うまでもなく放送作家であり(彼の業界入りのきっかけ、日芸の僕の友人が文化放送のてるてるワイドのADとして紹介したからだ)、20年以上の柳井さんとのコンビで毎回ほとんど打ち合わせ無しでオンエアされている。とはいっても当然必要なことはされているわけで、今回も様々なチェックを行なっただろう。

一番気になったのは、MCに対してのディレクターの指示、いわゆるCUE出しはどうしているのだろうかということ。テレビで言うところのAPCとかBDPSとかの内容は事前にMCに送っているだろうが、この二人の場合はもう身体に染み付いているだろうから必要ないのかも知れない。CUE出しは局側にいるディレクターも同じZoomのミーティングに参加しているが、ディレクターのCUE出しの音声だけを除外して出力してスタジオサブからオンエアに乗せることはできないように思うのだがどうやったんだろう。上に上げた番組Twitterを見る限り、MCの2人はヘッドホンをしていない。

ディレイについては気にならないのではないだろうか。デジタル特有のノイズだったり、途切れる頻度はかなり高い。通常なら放送事故レベルだろうがそんなことはコンテンツ内容的にはどうでもいいと思う。FM横浜の技術局の方々のこのオンエアに対する対応が素晴らしいと思う。

細かい話だが、ゲストに話しかけるときの話し方が、明らかにその場所にはいない他の場所にいる人に話しかけている感じが声に出る。これは決して悪いことではなく、複数人のグループ電話の会話を、さらに別の場所から盗聴しているような感覚、と感じるのは筆者だけだろうか。アマチュア無線をされたことがある人に向けて言うと、人のQSOをたぬきワッチしている感覚だ。これはそれぞれが別の場所に離れ離れで、それも今回は各自の自宅という場所も関係しているのだろう。リモートライブ>スタジオライブ>完パケ番組の順で臨場感というかライブ感を感じることがはっきりわかる。

Zoomというツールを利用したリモート番組の制作という視点では、MCやスタッフがちゃんと機能していれば今回のように成立することがはっきりわかる。ただしすぐにどの番組でも、というわけには行かないだろう。

それよりも今回感じたのはその先の話だ。「Zoom飲み」をされたことがあるだろうか。今回のラジオ番組でのオンエアでの直接利用とは目的は異なるが、Zoom飲みで体験することをラジオやテレビ局はどうビジネスに取り込むか。多チャンネル→SVOD→SNSからの流れを取りまとめた新たなライバルとなるメディア、またはサービスが登場してくる気がする。それは自分自身がコンテンツ化することだと思っている。

CNNもTwitterも、事件事故災害というきっかけがあった爆発的に普及した。いまのZoomもそれに近い存在だろう。ここにはヒントがまたたくさん見え隠れしている。