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タッチパネルディスプレイを触りたくない世の中について考えてみた

AI/Digital Signage/IoT /

街にあふれているタッチパネルディスプレイの衛生状態について、ショッキングなレポートを見つけた。2018年の11月に、イギリスのタブロイド版のフリーパーパー「Metro」が伝えている。記事内容を見ると、さまざまな細菌類がディスプレイから検出されたという内容である。

Metroの記事に書かれている細菌類の種類の多さと内容はもう惨憺たるものである。店舗側は頻繁にディスプレイを消毒していると書かれているが、印象はあまり変わるものではない。こうした事実は新型コロナウイルスとは無関係にもともと存在していたことで、決して新たな脅威ではないのだが、私達の記憶に明確に埋め込まれてしまった。

オーストリアのリンツ空港のマクドナルドの注文用のタッチパネルディスプレイ

ATM、フロアガイド、きっぷの購入、食券の券売機、回転寿司や居酒屋などの飲食店での注文端末など、我々の生活の中には、タッチパネルディスプレイがどんどん進出してきている。現在は新型コロナウイルスによって極端な潔癖性が求められていることもあり、確かにいまはタッチパネルを操作するときは躊躇する感覚は誰にでもある。こうした潔癖性は徐々に薄れていくかもしれないが、今までのように誰も気にしない、という状況に戻るとは正直思えない。つい先日まで、こうした事を言う人は圧倒的少数派であったが、状況は一変してしまったのである。

ウラジオストクのバーガーキング

タッチパネルの衛生問題への対応はどうなっていくのか。

タッチパネル端末は、まず先にデジタル化による利便性の向上が目的で、その実現のための人と機械とのインターフェイスとしてタッチが選択されているわけだ。もたらされる利便性が大きければ、別のインターフェイスに移行することは可能なはずである。指先タッチ以外のユーザーインターフェイスとしては、音声、ジェスチャー、視線などが思い浮かぶが、どれも実際の使用感はいまひとつである。

フロアガイドのようなものは導入数は決して多くはない。だがロケーションによっては必要不可欠なところもある。個々の代替方法は悩ましいが、QRコードでフロアガイドのWEBに誘導して自分のスマホで見てもらうのが現実解だろう。

ATMはどうだろう。無人の環境が圧倒的に多くいので、人が変わるごとに消毒をすることは不可能だ。だが利用頻度はさほど高くはないので、マイ手袋やタッチペンのような道具の使用、消毒液の設置などの組み合わせで対応されるのだろう。もちろんこれを契機にしてキャッシュレス化が加速することは間違いない。

キップの券売機はIC化によってすでに利用頻度は相当低下した。しかしチャージではまだまだ使うことも多い。これはATMと同じ対応になるのだろう。一方の食券の自販機は牛丼や定食チェーンやラーメン店に多く見られる。これらは来店者数や設置環境などから、頻繁な消毒は事実上期待できない。券売機と消毒液がセットということになるのだろうか。

やはり「食」に近い利用シーンではタッチパネルディスプレイは絶滅する可能性がある。たとえば回転寿司だと座席のパネルで注文して、手で寿司を食べるということは確実になくなる。ただ飲食店では食事後の片付けがあるので、このタイミングで人手による消毒を行えば、タッチパネルはこのまま存続できる可能性がある。

飲食店においては、スマホによるオーダーと決済に一気に進むのではないだろうか。これは各テーブル貼られたテーブルごとにユニークなQRコードを読み取り、メニューを表示させて注文とキャッシュレス決済を行う。下記のGASKETの記事にあるマクドナルドのモバイルオーダーはわかりやすい答えであるが、小規模店舗で手軽に導入できるものが求められている。すでに複数のサービスが乱立しているが、差別化要因をは必ずある。