マイナポイントが1年早ければ・・・

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新型コロナウィルス感染症の影響に対し、経済対策として補正予算の編成が急がれている。安倍政権は相当な予算規模での対策を打ち出してくるものと思われるが、相当に落ち込む(落ち込んだ)経済を、少しでも持ち直せるよう、”賢い”施策をスピーディに実現して欲しいところだ。

さて、補正予算はさておき、先月27日に成立した令和2年度予算のうち、総務省所管の「あのカード」にまつわる予算についてレビューしてみたいと思う。「あのカード」とはもちろん「マイナンバーカード」だ。


令和2年度 総務省所管予算概要(令和2年3月)より抜粋

総務省の令和2年当初予算の概要を、各項別では、地方への交付分を除き、最も多くの予算があてがわれているのが「3.Sociaty5.0を支えるICTインフラ整備:約4,221億円」である。その中でも、マイナンバー関連でカード普及、利活用促進、消費活性化、キャッシュレス決済促進などで、なんと約4,100億円という多額の予算が計上されている。ちなみに昨年度の同予算は約380億円だったので、今年度は10倍に拡大されたのだ。それなりの政策課題である、「(1)5G・光ファイバ等の全国展開支援」予算が97億円であることからして、政府の力の入れようがうかがえる。さて、これだけの予算があてがわれたのはなぜだろうか? コマーシャルをガンガン放って、カード普及キャンペーンをやっていくつもりなのかと思いきや、主たる予算は、「マイナポイント」 (そういえばそういう話もあった気がする!) 事業による、消費者への資金給付(それをテコにカードを作ってもらう)のためであった。

総務省によるマイナポイントの紹介ビデオがYouTubeに公開されている。

筆者もマイナポイントをぜひ利用してみたいと考え、マイキーIDなるものを取得する手続きを進めようと思ったのだが、ここで大きな落とし穴にはまってしまった。なんと、筆者のスマホは動作対象外なのだ(そんなにレア品ではないのだが)。その理由はNFCの関係らしいが、真偽及び今後の対応方針は問い合わせ中だ。パソコン+カードリーダという代替手段もあるようだが、もちろんこれも機種依存がある。至急、妥当な改善が図られることを望みたい。  【マイナンバーカード対応NFCスマートフォン】

マイナンバーカードの普及率は1月現在で14.9%、本日でもおそらく20%には至っていないだろう。もし、このマイナポイントが1年早く、幅広くマイナンバーカードが普及していたなら、今回の消費刺激策としての給付金支給手段としては、もっとも低コスト(あくまでその部分を切り取っただけだが)でスピーディなものだっただろう(注)し、”お荷物”から一躍、”大スター”に上り詰めたかもしれない。多数の国民が個々に一つだけ保有し、かつ、段階的な給付額とするための重要なキーファクターである、前年所得や納税の情報までリンクされていたのだ。居住地や世帯に関係なく、「ポイント」でスピーディに、実質的な現金給付ができたはずなのだ。
(注)自民党原案には、マイナポイントを前倒しして活用する案もあるとの話もあるが、多数の給付手段を用意するのは最悪の選択肢だろう。

おそらく、補正予算による消費刺激策としての給付事務作業で、総務省や地方自治体は大変なマンパワーを投下せざるを得ない。したがって、マイナンバーカード発行手続きには相当の月日がかかってしまうにちがいない。給付手段としてこのカードが使えないばっかりに、まずます普及が遠のくとは、残念な限りである。