補助金申請システム(jグランツ)とはどのようなものか(その2)

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経済産業省主導で、政府は、補助金の電子申請システム:jGrantsの稼働を開始した。少々設定は無理がある感が否めないが、「働き方改革」をキーに政府広報としてテレビコマーシャルまで放映されており、本気度がうかがえる。

政府広報より/補助金申請の手間が減ると働き方改革につながるらしい

jGrantsの利用前提となる、gBizプライムIDの取得については、本誌1月4日の記事を参照いただきたい。その後1月23日、無事gBizプライムのIDが取得できたので早速エントリ-してみた。

jGrantsマイページトップ

当然ながら、マイページにはなんら記載はなく、これから実際に補助金の申請がなされると、個別の情報が蓄積されていうことになる。まずは、jGrantsで申請できる補助金のリストを探ってみると、下のような個別の案件が表示された。

なお、経済産業省から、下表のとおり、jGrantsを利用した補助金リストが公表されている。

経産省発表の利用対象補助金リスト(予定)

これに対し、現時点(3月4日)において、jGrantsから申請できる実際の補助金として、全部で59件が表示されている。ずいぶん多いように思えるが、これらのうち、1つの補助金が受付機関である各振興局から出されているものが並列で表示されるため、まとめると19件ほど、さらに補助する目的の事業が同一で、支給要件が若干違う程度(ここは推定)のものを1つにまとめると、ユニークな補助金は、下表の14件であった。新年度予算がまだ衆議院を通過した段階であり、今後、経済産業省以外の助成金、地方公共団体が主催する補助金なども対象とし、一元化の推進に期待したいところだ。

12020年度新あいち創造研究開発補助金
2石油ガス流通合理化対策事業費補助金
3産油国石油精製技術等対策事業費補助金
4産油国等連携強化促進事業費補助金
5「地域内エコシステム」技術開発・実証事業
6低炭素技術を輸出するための人材育成支援事業費補助金
7令和2年度質の高いインフラの海外展開に向けた事業実施可能背調査事業費補助金
8令和2年度皮革産業振興対策事業費補助金
9技術協力活用型・新興国市場開拓事業(研修・専門家派遣事業)費補助金
10社会課題解決型国際共同開発事業(ビジネスサポーター支援事業)
11令和2年度「商店街活性化・観光消費創出事業」
12令和2年度JAPANブランド育成支援等事業費補助金
13令和2年度商業・サービス競争力強化連携支援事業(新連携支援事業)
14伝統的⼯芸品産業⽀援補助⾦

なお、前述のように、実質的に同じ補助金(受付の管轄が違うだけ)が並列で表示されていたり、検索絞り込みができない、全体の簡単な一覧が無いなど、サイトの作りは雑な感じが否めない。はじめて訪れたユーザーが、一瞬で気づく必要な機能が最初から用意されないのは、いったいどういう企画設計プロセスを経たのだろうか。今後改善を期待したい。 また、jGrantsにログインするには、gBizプライムのIDでエントリーが必要なのだが、ログインの際、SMSで送信されるワンタイムパスワードを入れなければならない。スマホを忘れるとログインできないので要注意だ。

jGrantsでは、「公募申請」時の手続きはもちろんのこと、対象事業実施後の「支給申請」にも対応している。筆者の経験からすると、申請時においては、構成する文書等の形式と分量がある程度決まっているので、労力がかかるのは対象事業の「中身」の編成である。これはそもそも本質的なことであり、委細情報を求めるのは(納税者としても)納得できる。一方、手間なのは、対象事業実施後、「支給申請」時の手続きの方だ。不定形のエビデンスを一つ一つ、整合性をもって編纂し、提出する必要があるため、「公募申請」時よりはるかに煩雑だ。全体の進捗状況の把握含め、サイト上で電子的に処理できる項目が増えると、申請者にとっても、行政側にとっても労力は削減できるだろう。

今後、実際に補助金申請を行う場合は、本誌においてもその状況をレポートする予定である。