高輪ゲートウエイの「TOUCH TO GO」は体験的にはスキャンレスな2タッチのセルフレジだ

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高輪ゲートウエイ駅開業日3月14日に行ったら開店は23日とのことだったので、本日24日にリベンジ体験をしてきた。GASKETでも既報のとおりだが、こうした店舗をamazon goも含めて国内外で20店舗以上体験しているので、それらとの比較で見ていきたい。

まず入店時には何もしなくていいのは便利。交通ICカードが無くても入店は可能だが、決済が交通ICカードのみである。クレジットカードやスマホキャッシュは使えない。カメラは天井にたくさん設置されている。他の報道を見ると100台という記事もあるが、とにかくたくさんある。ただ天井以外にカメラが設置されているかは確認できていない。設置されているのかも知れないが、上からだけだと死角ができてしまうのは想像できるので、店内を歩き回る人物のトラッキングを行いながら別のカメラでフォローするというのは、実際に同様なAIシステムを構築している立場で言えば難易度はかなり高い。

商品を普通に手に取ったり、手に取ってから棚に返したり、一部を自分の鞄に突っ込んだりなどをざっと試したが、決済時にレジの前に立つと商品リストと金額が正しく表示された。あいにく今は店内撮影禁止になっているので画像はない。これは開店時の混雑を避けるための措置だと思うので、落ち着けばじっくり撮影もできるのではないだろうか。

筆者が今日購入したのはペットボトルの飲料、サンドイッチ、赤鶏そぼろ弁当の3点だ。ここでamazon goとの比較で見ると、現在は変わっているかも知れないが、シアトルの1号店開店時には、サンドイッチとお弁当はパッケージに商品を特定するためのマーカーのようなものが貼付けられていた。これがないと中身がターキーなのかビーフなのかを判別することは困難を極めるからだ。

同じことがランチボックス(お弁当である)でも言える。唐揚げ弁当かミックスフライなのを天井のカメラから判別するのはかなりハイレベルな案件である。ところがTOUCH TO GOの商品にはこうしたマーカーはついていないようである。全部の送品を確認したわけではないので断定はできない。少なくとも筆者が購入した商品にはそれはついていないし、RFタグも付いていない。AIシステム関係者の苦労が想像できる。

amazon go のサンドイッチには認識しやすいマーカーコードがある

購買動線というか、UX的には、何もしないで入店できるのは非常に良い。amazon goは専用のアプリで2次元コードを表示して読み込ませないと入店ができない。問題は決済のやり方である。TOUCH TO GOでは、選んだ商品を鞄や手に持ってレジ前に立つと、計算が行われて画面に表示される。その内容を購入者が確認して、問題がなければ画面の「購入する」ボタンをタッチする。その後ICカードをリーダーにもう一回タッチする。amazon goは何もしなきまま出ていって構わない。何をいくら買ったかの確認もできない。店を出て数分後に通知が届き、アプリ上で領収書を確認できる。

また袋詰め問題も結構大きい。エコではないかも知れないが、コンビニではレジ袋をくれて、店員が詰めてくれるのが普通である。ところがTOUCH TO GOではレジ袋は決済を終えたあとに店員が手渡ししてくれる。このオペレーションは開店時だけのものなのかも知れない。

もう少し詳しく書くと、片手で持てる商品または個数であれば、片手に商品、片手で画面タッチしてICカードをタッチ、そのまま商品を自分のカバン、ポケットに入れる、必要ならレジのあとに備え付けられるレジ袋(そういうオペレーションになるかは現時点では不明)に自分で入れる、と言う流れになるので比較的スムーズである。

だが両手が必要な場合は、一旦画面タッチと決済のために、非常に狭い台の上に商品を置く必要があり、ゲートをくぐってから袋詰を自分でやる、つまりスーパーと同じ方式の動線になる。これは駅ナカのコンビニではかなり面倒は話である。レジ袋を入店時に取れるようにしてくれるだけで話はだいぶ改善されると思うのだが、ここは開店時を過ぎればオペレーションが変わるかも知れない。

画面タッチとカードタッチが必要
この人は決済内容が異なっていたようで訂正をしているところ

AIによる判別の精度の問題は少なからざる課題だとは思う。これはすべてを画像系のAIだけでこなそうと思うと厳しいだろう。

それよりも、ここは駅ナカなのでICカードタッチにはまったく抵抗はないと思うので、入店時にICカードタッチさせてそのままスルーで出て行かせてくれれば、利用者から見ればいちばん楽である。それをしていない理由が技術的な問題なのか、ICカードのシステム上の問題なのか(多分後者だと思う)。これらをアプリで提供しようとすると、JRと言えどもアプリインストールはかなりハードルが上がってしまうだろう。

「TOUCH TO GO」は「JUST WALK OUT」とはコンセプトも体験も、いい悪いということではなくやはり別物なのである。体験的には前者が遥かにスマートであり、TOUCH TO GOは結局は「スキャンレスな2タッチのセルフレジ」ということである。

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