高輪ゲートウェイ駅の無人AI決済店舗「TOUCH TO GO」がオープン

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高輪ゲートウェイ駅の無人AI決済店舗のTOUCH TO GOが2020年3月23日にオープンした。店内に設置されたカメラでお客がどの商品を棚からピックアップしたかを追跡し、レジではそれに基づいた購入品一覧を表示、交通系ICカードで決済できる店舗だ。JR東日本では2018年には赤羽駅ホームで期間限定の店舗を開設して実証実験を行っていたが、常設店舗としては初となる。

オープン当日の3月23日午後4時ぐらいに訪れたところ、注目が集まっているのか、店の前には業界の関係者や学生らしき人々が行列を作っており、入店まで15分程度並ぶ必要があった。

カメラでの追跡精度を維持するため、いまのところ店内に入れるのは7人まで。入口のゲートで入店者数を管理している。店内には、中央にはスナック菓子などの常温保存の商品が並ぶ棚が置かれ、壁沿いに飲料等が置かれた冷蔵棚が並んでいる。冷蔵棚にはビールやワインなどのアルコール飲料や弁当もある。レジを出たところには、弁当をあたためるレジやセルフコーヒーマシンが設置されており、取扱い商品は一般的な駅ナカコンビニと変わらない。お菓子や飲料しか扱っていなかった赤羽駅のときと比較すると、大幅に向上している。

自動ドアのなかに、入店者数を管理するためのゲートがあり、上限の7人に達するとしばらく待つように案内される。
自動ドアのなかに、入店者数を管理するためのゲートがあり、上限の7人に達するとしばらく待つように案内される。

天井に設置されたカメラは、赤羽駅での実証実験のときよりもかなり数が増えている印象を持った。赤羽駅では1度に入店できるのは3人のみで、商品補充を行う際には一度店舗をクローズしてから作業していたのが、本店舗では入店者数が大幅に増えたうえ、店内に客がいる状態でもスタッフがバックヤードから入店して補充作業をしており、認識AIが強化されている様子が伺えた。ただ、ピックアップを認識するAIはまだ調整中なのか、いまのところ精度はさほど高くないようだ。数分のあいだでも、何度かレジで数字を打ち直しているところを見かけたし、筆者もコーヒーのドリップバッグとビールの商品2点をピックアップしたところ、コーヒーのピックアップを認識できておらず、レジにあるバーコードリーダーを使って買い物リストに追加することになった。

天井にはカメラが並んでいる。
天井にはカメラが並んでいる。
こちらは2018年の赤羽駅での実証実験時のカメラ。
こちらは2018年の赤羽駅での実証実験時のカメラ。

赤羽駅から着実な進歩が見られ、高輪ゲートウェイという新駅らしい、斬新な店舗にはなっている。しかし、赤羽駅での実証実験のときにも感じたことだが、このTOUCH TO GOという店舗形態は、最終的にどこに着地するのだろうか? 筆者にはこれがまったくわからない。TOUCH TO GOは、よくJusu Walk Outの店舗としてAmazon Goに類似していると紹介される。しかし、実際にはレジが存在し、そこで購入品リストを客が自分で確認しなければならない時点で、UXとしてはセルフレジの類似にすぎないのだ。そして、コンビニなどに設置されたセルフレジと比べて何が優れているのかというと、、、筆者にはわからない。導入および運用コスト、処理人数、正確さ、業務フロー、どれもがセルフレジのほうが勝っているのではないか。TOUCH TO GOにする意味はどこにあるのだろう。

筆者がレジで決済を終えると、スタッフから購入済み商品を持ち運ぶためのビニール袋をもらった。一般的に、店舗で配られるビニール袋は、購入済みの商品を入れて区別するために使われる。そのような袋を、入店時ではなく決済後に渡してくるあたり、店舗もカメラを利活用する理由を理解していないのではないか、と思ったのだが、、、

レジを出るとスタッフがビニール袋を提供してくれる。本当のウォークスルーであれば、入店時に渡すべきではないか。
レジを出るとスタッフがビニール袋を提供してくれる。本当のJusu Walk Outであれば、入店時に渡すべきではないか。

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