デジタルビット化できないものの移動と体験

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デジタルとインターネットによって、デジタルビット化できるものやコトは移動、複製が簡単になった。しかし今見えている人類の技術では、デジタルビット化できないものはその恩恵を受けられない。ではどうしたらいいのか。そのヒントになる取り組みをデルタ航空、ANA、HYUNDAIの動画から考えてみる。

GASKETでも何回か紹介しているデルタ航空の取り組み。そのフルバージョンビデオを見ていただきたい。デジタル化できない人間の移動を担う企業の、デジタルとの向き合い方に注目してほしい。予約、空港までの移動、機内、到着先という一連の場面における体験を、日本語的に言う一気通貫でデジタルテクノロジーによって快適にしてくれる。

ANAの取り組みはデルタよりも移動という点にフォーカスしている。飛び恥が影響しているのかもしれない。実際の旅行の体験の素晴らしさや重要性は今後も変わることはないのは言うまでもないが、ANAの示している世界観や体験は、十分リアルを補完するものであることがわかる。

田舎のおばあちゃんと食事をするシーン。この体験は、スマホやタブレットでビデオチャットするのとはまるで異なることが想像できる。

HYUNDAIのS-Linkの提示している世界観は、トヨタのe-PalletやWOVEN CITYを超えたものである。大型ドローン(これはもうヘリコプターなのだが)とモビリティーの連携に注目してほしい。移動中のモビリティー内では「寝る」のが現実的な正解だと思う。またモビリティビークルを玉手箱のような何でもできるものとみなすのではなく、既存の店舗や病院などの施設にドッキングすることができるようにするのは卓見である。

こうした話を大阪でテレビ局関係者が集まる場で話をした。特にデルタ航空の提供している移動を軸にしたエクスペリエンスは、テレビ局がベンチマークするべものだと思うからだ。そのために何でも自局で完結させようとせず、8Kと8K放送を混同すること無く、テレビを軸とした生活動線上のエクスペリエンスの再構築を考えること。これがいまテレビ局がやるべきことであっって、いまさらネットで配信するとかしないとか、当たり前過ぎて、周回遅れすぎる議論は一刻も早く止めた方が良い。5年以上遅い。