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オフショア開発の難しさ~ベトナムより

Digital Signage/IoT /

ベトナムを訪問している。今はハノイを訪れ、のちにホーチミンに移動し帰国する予定だ。コロナウィルス問題はこの国にも様々な影響を与えているようで、昨日ハノイ工科大学のゼミなどを視察させてもらう予定だったが、休講になってしまったようで、敷地、建物を見学するのみに終わってしまった。ホテルも中国人観光客はほとんど見かけず、現地に詳しい人に聞くと、道路の渋滞もずいぶんと軽減しているらしい。

それにしてももの凄い数のバイクだ。道路を渡るのが怖い

最近、多少の減速感はあるらしいがそれでも、成長している国、そのエネルギーを強く感じる。きっと日本の高度成長期もこんな雰囲気だったのだろうと思う。

ハノイ工科大学メイン(多分)キャンパス

今回、主に日本からのプログラム開発を受託している会社に訪問し、色々話を聞かせてもらっている。筆者も過去、受ける側、出す側、両方の立場を経験している。それから10数年経ち、周りの人達が”オフショアは色々な意味で一巡した”、というようなニュアンスのことを聞いていたが、筆者の正直な感想は”何も変わっていない。歴史は繰り返す”、である。

結局のところ、日本での開発コストが高すぎる、最近だと、ハードワークを従業員にさせられない、だから、「多少品質は悪いし、色々苦労するけど、極論言うと、一回作り直してもまだ日本より安いじゃん。」という構図からは脱皮できていない。(全部を見ているわけではないので、そうじゃないところもあると思うし、ある程度断片的であることはお許しください)

ハノイ工科大学など超優秀な学生が学生時代、AI、IoT、ヘルスデバイス、などさまざまな最先端を勉強してくるのだが、ごく一部の学生を除き、就職してプログラマになると、PHPで勘定系の帳票画面を作っているのだ。それでも、現地の他の仕事よりは遥かに高い給料を得られるし、元々地アタマが良いので、知らなかった言語でもすぐに使いこなしてしまう。

発注する日本側も、面倒なプログラムは言葉の問題などから、こういった単純でチェックしやすく、発注しやすいものを切り出してくる。しかし、これらの技術やソリューションは本質的には極めて時代遅れな考え方の上に成り立っているものがほとんどだ。誤解を恐れずに言うならばCOBOLの仕事をやらせているのと大差ない。

あくまでも一般論としてだが、アジアの優秀な若い世代は貪欲に自分の価値をあげることを目標とし、日々のミッションとして生きている。世界全体を見渡すと、どうやら、AIだのIoTが騒がしい。強い信念と技術力を持ったエンジニアはやはりそういう分野の仕事を求め、転職したり独立したりする。そうなると、オフショアチームはますます”帳票仕事”しかできなくなってしまう。

フェアトレードという言葉がある。ちゃんとした対価でトレードを行う、奴隷モードでトレードを行ってはいけない、という意味だ。個々のエンジニアが、将来に夢を持てるような分野やミッションを積極的に任せていき、彼らには報酬とともに、彼らの市場価値向上を与えなければいけないのではないだろうか?

言葉の問題だの、管理の問題だの、テスト仕様の作り方、だの。そういうことはオペレーションベースの話だ。中国を”遅れた安い国”と定義し、”やっつけ仕事”をやらせていた日本が、今、その中国にAI分野などで大きく引き離されている。実は後進国に見放されているのは、夢を与えてこなかった日本なのではないのだろうか?