【CES2020】Vol.08 サムスンの「Selfie Type」を体験して考えた大事なこと

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サムスンがEureka Parkで展示していたのが「Selfie Type」というスマートフォン用のタイピングアプリである。インカメラで指の動きを認識して物理キーボード不要でQWERTY入力が行える文字入力を行う革新的なものだ。

使用時は最初だけ指の位置をキャリブレーションする必要がある。このときに指の大きさと関節の位置を認識させている。いわゆる骨格認識である。キャリブレーションに必要な時間はほんの一瞬だ。

基本的にタイプ面の素材は関節さえ認識できれば何でも可能だ。筆者も試してみたが、入力の精度について問題を感じることは無かった。類似のものはこれまで小型プロジェクターでキーボードを投射するものが幾つかあったが、Selfie Typeはスマートフォン以外に何も必要としない。動画を見てもらうと驚くと思う。

Selfie Typeは課題を解決するためにAIを利用している。課題は「スマートフォンでの文字入力がやりにくい」である。

課題解決のための方法として、「大きくする」という方法がある。スマートフォンに対して、ノートパソコンはフットプリントが大きいので、物理キーボードを載せるスペースがあるので、この技術はあまり必要はないのかもしれない。いやむしろそれは逆で、キーボードを載せるためにフットプリントを確保しているとも言える。それなりの大きさのディスプレイを載せるためにフットプリントを確保しているとも言える。実際にiPhoneとiPadとMacBookのマシンパワーはそれほど極端に異なっているわけではない。

ノートパソコンとスマートフォンは、その登場の過程はもちろん逆で、パソコンをもっと手軽に持ち歩きたいからスマートフォンが考えられた。その結果、文字入力がしにくなることを犠牲にした。これを犠牲にしても携帯性が優先される場合があるからである。

AIは何に使うのか、ということを考える際には、やはり「課題解決」が最もわかりやすく実用的である。課題以外には「楽しい、気持ちいい」的なものもある。突き詰めるとこれらは「快」と「不快」だ。そしてこれはAIに限ったことではなく、すべての技術、すべてのビジネスにとっての真理である。AIという技術があるから◯◯に使おう、というのは本来はやはり本末転倒なのである。