プラネタリウムはライブエンターテイメントである

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有楽町マリオンにあるコニカミノルタのプラネタリア東京で、久しぶりにいい星空体験をすることができた。朗読型生解説プラネタリウム “きみと見た星の物語” 冬のダイヤモンドである。

筆者は現在進行中の渋谷再開発計画において、ハチ公交差点をドーム(ガレリア)で覆ってそのまま新五島プラネタリウムにしてしまう、という大胆企画にも関わったことがあるのでプラネタリウムにはかなり思い入れがある。もちろん初代ホームスターユーザーだ。

小学4年生くらいから、毎月友達4人位でプラネタリウムに通っていた。そのプラネタリウムは名古屋市立科学館である。プラネタリウム事情通であればご存知だと思うが、名古屋市立科学館のプラネタリウムは、ギネスブックで入館者数世界一(旧館時代)、世界最大ドーム(現行)として認定されている。これは実はハードウエアが評価された結果ではない。学芸員でプラネタリウム解説者の第一人者である山田卓氏(故人)の独特の語り口による生解説があったからこそなのである。筆者が東京に来て、渋谷や池袋のプラネタリウムに行ったときに、生解説ではないことに驚きを覚えたものだ。山田氏についてはこちらを是非一読して欲しい。

星ナビ  山田卓氏に関する記事

cagylogic   プラネタリウム 解説員 山田卓氏
このブログは筆者が自分で書いたのかと思うくらい自分の体験と重なっている。

余談であるがあとでWebを見ていて知ったのが、「東京メトロ星めぐりICタッチキャンペーン」だ。有楽町のコニカミノルタプラネタリア東京、押上の天空、池袋の満天のプラネタリウム3館をスタンプラリーのようにめぐると、次回入場料が2割引になるクーポンがタッチするだけで、3館コンプリートすると温浴剤がもらえるらしい。参加方法は交通ICカードを現場の端末にタッチするだけで登録などの必要はない。だが現場ではそのキャンパーンの存在も、端末も筆者は見つけることができなかった。Webで見つけたと言っても、3館のサイトには一切記載はなく、検索で東京メトロに「レッツエンジョイ東京」のリンクで見つけた。これでは何のためのキャンペーンなのかよくわからない。

さて肝心の生解説型上映の話である。ネタバレにならないように書く必要があるが、二人の役者さんが3つの物語を朗読し、それにまつわる星空が投影される。奇をてらったような演出ではなく、筆者がかつて山田卓さんの解説でギリシャ神話の星の物語を体験したのと同じように、優しくて丁寧で、それが最新の機材と音響で再現されるのである。

山田さんは中央に設置された光学機器としてのプラネタリウムを操作しながら、オペレーションブースで話をされていた。だが今回のロケーションにはそもそも光学投影器械は存在しておらず、星空はすべてプロジェクターの映像である。そのためどうしてもコントラスト比が光学機器と比べるとまだまだ足りていないのは事実だ。演出としては、男女2人の役者さんが設置されたステージ上で朗読劇を演じているといった形式だ。星空投影のための暗さの確保と、ステージ上の役者が見えることを両立させるのは苦労があっただろう。

開演前。中央がステージ

それぞれが繋がっている3つの物語がとても素敵である。神話の物語を軸にした新たな物語が素敵である。派手さはまったくない、さりげないどこにでもありそうな話が素敵である。それが故に自分ごととしてすっと入ってくる。星の投影もそっけないくらいだが、今回はあくまでも物語が主役なのでこれでいい。プラネタリウムで星を見るというよりは芝居を見ている感覚に近い。それもそのはずで演出にはミュージカル劇団である音楽座ミュージカルが協力をしている。

筆者的な意見は2点。役者さんの声はマイクを介してPAで再生されていた。このロケーションは極端に大きな空間ではなく、また役者さんで声量も十分あるので、ここはひとつ生声で体験してみたいと思ったこと。もう一つは物語の進行に応じて、心地よい音楽が流れるのだが、やや音量が大きかったかなと言う印象。これはプラネタリウムイベントによって音楽中心である場合と、今回のような生朗読という場合では異なってくるのではないかと感じた。

プロジェクターで投影されるプラネタリウムという空間を360映像の再生装置と位置づけて、そこにリアルなパフォーマンスが重なるということだ。そうだこれはMRである。星空については世界各地に8K360カメラを設置してライブ中継もいいと思った。自分も何かコンテツを考えてみたくなった。

なお本作品は土日祝日の13時20分と16時40分の2回上映である。