【ダイナミックビークルスクリーン】Vol.02 視野角178度の高精細ツインモニター

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都心部の鉄道車両では、ドア上にデジタルサイネージが設置され、運行情報や広告を放映するのが一般的になった。各鉄道会社、路線ごとに若干の違いはあるが、機材やシステム、また広告の販売方法は似通っている。しかし、ビズライト・テクノロジーが埼玉高速鉄道埼玉スタジアム線に設置を進めているデジタルサイネージ『ダイナミックビークルスクリーン』は、これまでの車両内サイネージとは一線を画する。6回にわたって、この取り組みについてご紹介していきたい。

第2回は、特徴的なツインモニターについてだ。

鉄道車両内でのinfoverre採用は世界初

ダイナミックビークルスクリーンを見て印象に残るのは、高精細かつ色鮮やかなモニターと、その視野角の広さだ。従来のモニターは、ディスプレイとそれを保護する表面のガラスのあいだに空気層があるため、表面ガラスとディスプレイの双方で光が反射してしまい、斜めから見るとモニター全体が白くぼやっとしてしまう。それに対し、ダイナミックビークルスクリーンで採用したAGC製のinfoverreは、表面ガラスにディスプレイを特殊な光学接着樹脂で直接貼り合わせている。接着樹脂はガラスと同じ屈折率のために光を反射する界面が少なくなり、乱反射のないクリアな映像となる。

直接貼合する光学接着樹脂がガラスと同じ屈折率のため、光を反射する界面が少なくなる。

空気層による乱反射がなくなることで、infoverreは178度という広い視野角も実現した。家庭内のテレビであれば、見るときに正面に座ってもらえるが、車両内サイネージでは、さまざまな角度から見られることになる。多くの乗客に明るくクリアな映像を届けるには、視野角が重要になる。他の鉄道サイネージのディスプレイと比較をしてもらえばその違いは明らかである。

斜めから見ても反射が少ないため、色が鮮やかに出る。

乱反射がないことは、運用上のコストメリットにもなる。モニターのバックライトの輝度を下げても高い視認性を得られるため、省エネルギーと長寿命化が期待できるからだ。計算上、輝度を30パーセント落とせば、背面LEDの寿命は2倍近くに延びる。

左右2面を使った広告表現が可能

ツインモニターの使い方も独特だ。ドア上サイネージサイネージでは、2面もしくは3面が連なり、右側のモニターに運行情報、左側のモニターに広告を表示するするのが一般的だ。当初、ダイナミックビークルスクリーンでもそれを予定していたが、運行情報を取得するには車両内のTIS(Train Information System)との接続が必要であり、TIS側の都合で実現できなかった。そこで、ドア上サイネージとしては異例だが、2面とも広告放映を行うことにした。この2面は完全に同期した2つの機材から映像出力されているため、下記のいずれの表現も可能だ。

  • 左右でまったく同じ映像を放映する
  • 2面を1キャンバスとした映像を放映する
  • 左右で異なる映像を放映する

さらに言えば、ダイナミックビークルスクリーンはモニター1面に対して1台の映像出力装置が接続されているため、モニターごとに異なる映像を放映することもできる。この自由なキャンバスを使って、どのような映像表現をするのか、広告主やコンテンツプロバイダーなどパートナーの皆さんとともに考えていく。広告主にとって価値ある媒体とするとともに、埼玉高速鉄道の車両に乗れたらラッキーだと乗客が感じられる空間にしていきたい。