デジタルサイネージで販促?マルノウチリーディングスタイルという新しい書店の形。

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筆者は本好きなので、書店巡りを定期的に行なっている。神田神保町、新宿、東京、池袋、有楽町界隈の大型書店や高円寺や下北沢などの個性的な街の本屋を移動の合間に楽しんでいる。

東京駅界隈だとオアゾの丸善や八重洲ブックセンターが定番なのだが、昨日はKITTEのマルノウチリーディングスタイルに立ち寄った。ここはカフェ併設のサードプレイス型の書店で、おしゃれな本屋として有名だ。開放型のカフェでは著者のトークイベントが行われ、人気のスペースになっている。以前、筆者も登壇したことがあるが、他の書店に比べ、顧客とのつながりを重視した空間で、楽しい時間を過ごせたことを覚えている。

そのマルノウチリーディングスタイルが新しい書店として生まれ変わっていた。なんとデジタルサイネージだらけの本屋になっていたのだ。店舗の入り口、レジ周り、各書棚に様々なサイズのサイネージが置かれ、書籍情報がわかりやすく発信されていた。カフェやイベントというヒューマンタッチな視点だけでなく、デジタルを活用したコミュニケーション設計は刺激的で、本好きにはたまらないスペースになっている。

20以上のサイネージが売り場にあるとそれだけで興味が湧き、各々のサイネージの情報を読みたくなるのだ。他の書店のようにサイネージが一つしかなければ、これほどサイネージの情報に注目しなかったはずだ。それほど書店の中に数多くのデジタルサイネージを設置するとインパクトがある。

この書店のコンセプトをリーディングスタイル株式会社のサイトから引用する。

「READING STYLE」は、好奇心や探求心を満たしていただく「本屋」として、
大切な時間を本と過ごしていただく「カフェ」として、みなさまをお待ちしています。ここは、本を中心に人が集い、語り合うことでコミュニティが生まれ、発信される場所。そして、紙が持つアナログの手触りと、最新のテクノロジーが融合する場所。この空間こそが、「READING STYLE」がめざす新しい書店のかたちです。

多くの人がアマゾン検索でお目当の本を探す中、ここはコミュニティ型の書店を目指し、本と人との出会いをデザインしている。居心地の良いスペースを作ることで、長時間滞在する顧客に、デジタルサイネージを使って本だけでなく、様々な情報を届けている。

キャンペーン・スペースでは、キャンペーン対象の書籍の情報が流れ、レジ周りのサイネージでは書籍のランキング情報が表示されている。各コーナーでは、書店員の手書きのPOPの代わりに大画面のデジタルサイネージが設置され、本の紹介が行われている。書棚ごとに発信する情報をきめ細かく変えるなど、読者目線で情報設計しているのが良く、思わず立ち止まって読んでしまう。小説の書棚では、オススメの小説の情報が発信されていたり、睡眠本のコーナーでは、本の宣伝だけでなく、睡眠のためのクラッシック音楽まで販売している。

女性YouTuberとのタイアップなど目新しい取り組みも行われていた。読書の魅力を発信するベルさんというYouTuberのおすすめ本が展示されている。デジタルサイネージではその本の紹介のYouTubeが流れ、本の魅力をすぐに理解できるようになっている。YouTube→書店への来店→購入、来店者がその場で番組を見て、購入という流れが作られていた。

この店のFacebookを見ると、著者のトークセッションでもデジタルサイネージが活用されている。近々、この書店のイベントも見てみたいと思う。

読書に時間を費やす人が減り、本屋が激減する中で、生き残りを賭けた本屋の新しい取り組みが始まっている。本好きが集う場所を作り、デジタルサイネージを活用した販促を行うという同社の取り組みは、他の書店やショップでも応用できる。リアルとデジタルの融合が、アマゾンと戦う際の鍵になりそうだ。